2004 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌におけるLIFの病態生理学的意義の解明と新たな治療戦略の開発
Project/Area Number |
14571522
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10167546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 裕 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60229234)
大家 基嗣 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00213885)
大東 貴志 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80185371)
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
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Keywords | 前立腺癌 / LIF / IL-6 / 悪液質 |
Research Abstract |
癌や悪液質患者においてLIFやIL-6が増加していること、低親和性hLIF受容体とIL-6のシグナル伝達蛋白gp130関連性などが報告されている。本研究ではJCA-1細胞がLIFやIL-6を産生していることを見出している。JCA-1担癌ヌードマウスにおいてLIF活性が420±114pg/mlと上昇しており、同時に体重減少が認められ、LIF活性と腫瘍体積との間に有意な関連性があることを見出し、さらには血清IL-6値も1312.1±368.7pg/mlと非担癌マウス(18.1±12.5pg/ml)に比べて有意に上昇していた。次いで、前立腺癌患者において血清LIFとIL-6活性を測定した。未治療前立腺癌患者の血液中にはLIF活性は検出されず、ホルモン治療後の再燃前立腺癌患者においてもLIF活性はほとんど検出されなかった。一方、血清IL-6は前立腺癌患者において検出され、未治療前立腺癌患者(55例)のうち、StageA, B, C, DのIL-6値はそれぞれ1.2±0.2pg/ml,2.5±0.4pg/ml,2.2±0.5pg/ml,8.6±4.3pg/mlであり、stageDにおいて上昇していた。また、ホルモン治療後の寛解例(23例)では2.5±0.3pg/mlであったが、再燃例(20例)では41.6±8.1pg/mlと有意に上昇していた。さらには未治療例、寛解例、再燃例の血清アルブミン値はそれぞれ3.6±0.1g/dl,3.8±0.1g/dl,2.8±0.1g/dlであり、ヘマトクリット値は36.3±0.7,36.6±1.0,31.0±1.4、body mass indexは22.7±0.3,23.1±0.6,19.0±0.3であった。前立腺癌患者においてLIF活性と悪液質との関連性は低いものの、前立腺癌が再燃することにより血清IL-6値が上昇し悪液質を呈することが示唆された。
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Research Products
(1 results)