2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571532
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 幹二 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (20311540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 秀平 弘前大学, 医学部附属病院, 助教授 (80225945)
樋口 毅 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (60238285)
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Keywords | 子宮頚管無力症 / ヒアルロン酸 / 4メチルウンベリフェロン / 子宮頚管由来培養線維芽細胞 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの研究に加えヒト子宮頚管由来培養線維芽細胞のヒアルロン酸(HA)合成に対する4-メチルウンベリフェロン(MU)の影響についての研究をさらに進行させた。 最近我々は同細胞において、MUがHA合成を濃度依存的に抑制し、皮膚の場合と比較して極めて低い0.5mMという濃度でHA合成を完全に抑制してしまうことを発見した。そこでさらにMUの臨床応用の可能性を検討するため、MU除去後に同細胞におけるHA合成能が回復するか否か、またMUの効果へのホルモンの影響について検討した。 ヒト子宮頚管由来線維芽細胞を培養しコンフルエントになったところで、種々の濃度のMUを添加しpreincubateし、その後にMUを含まぬ培地に交換し、今度はHAの前駆体である[^3H]グルコサミンと共に培養を続け、培地中のHAの合成量を測定した。その結果、培地からMUを取り除くことによってHA合成は再び活発に開始され、その合成量はコントロールと比較して0.25mMで101%、0.5mMで94%、1.0mMで91%と0.5mM以上で若干の低下を認めたものの有意差はなかった。 次に子宮頚管細胞におけるHA合成が、子宮頚管熟化に関与するホルモン存在下でも抑制されるか否かについて検討した。妊娠末期の血中濃度にあわせて、Estradiol、DHAS、Progesteroneを各々培地に添加した。さらにそれぞれMU添加群と、非添加群にわけて合計6つのグループに分けて培養した。72時間後に培地を回収し、各々のサンプル中のHA量をHA binding proteinを用いたsandwich binding protein assay法により定量した。その結果ヒト子宮頚管培養線維芽細胞の産生する培地中のHA量はホルモン無添加群に比較してDHAS添加により50%、esrtadiol添加により26%と各々著明に増加した。しかし、progesteroneの添加によって、逆に12%減少した。ホルモンと同時に0.5mMのMUを添加したときのHA産生量は、MU添加によってcontorol群、ホルモン添加群を問わず著明に抑制された。妊娠末期にヒアルロン酸の合成を促進する、つまり頚管熟化に働くDHASやEstradiolのようなホルモン存在下でも、やはりMUはヒアルロン酸合成をほぼ完全に抑制してしまうことが判明した。
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