2002 Fiscal Year Annual Research Report
"ゴナドトロピン"と"卵巣局所調節"のCross-Talkによる卵胞発育調節
Project/Area Number |
14571548
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
小辻 文和 福井医科大学, 医学部, 教授 (50153573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折坂 誠 福井医科大学, 医学部, 助手 (80324143)
田嶋 公久 福井医科大学, 医学部, 助手 (60303377)
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Keywords | 卵胞発育 / 卵巣局所調節 / 顆粒膜細胞、莢膜細胞 |
Research Abstract |
卵胞発育の過程は、下垂体性ブナドトロピンと卵巣局所調節の両者により複雑かつ精微に調節されている。平成14年度は、両者のCross Talkを明らかにするために、当教室が確立したコラーゲン膜両面培養モデルを用いて、以下の実験を行った。 1 コラーゲン膜の一側に穎粒膜細胞だけを培養した群をコントロール(G/O群)として、その対側に莢膜細胞を共培養した時(G/T群)の、穎粒膜細胞のステロイド産生量を比較した。(1)小卵胞(2〜4mm)実験:莢膜細胞との共培養により、顆粒膜細胞のエストラジオール産生が増加したが、プロゲステロン産生は変化しなかった。(2)大卵胞(15〜20mm)実験:顆粒膜細胞のステロイド産生について、莢膜細胞の影響を認めなかった。 2 両群の下流膜細胞をFSHで刺激して、それぞれのステロイド産生量を比較した。(1)小卵胞実験:FSHはG/O群、G/T群ともにプロゲステロン産生を増加したが、エストラジオール産生への影響は認めなかった。(2)大卵胞実験:FSHはG/T群のエストラジオールやプロゲステロン産生を増加したが、G/O群ではFSHの影響を認めなかった。 以上の結果より、(1)小卵胞でのエストロゲン生合成は、ゴナドトロピンに依存せず卵巣局所調節が中心的役割を果たす、(2)大卵胞でのエストロゲン生合成は、ゴナドトロピンと卵巣局所調節の両者に依存することが明らかとなった。 平成15年度は、特に小卵胞における卵巣局所調節機構に注目し、顆粒膜細胞におけるステロイド合成酵素やゴナドトロピンレセプター、コレステロール輸送蛋白(StAR)のmRNA発現に関する莢膜細胞の影響を、分子生物学的手法を用いて検討中である。
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