2003 Fiscal Year Annual Research Report
胎児奇形発生調節機構に関する研究-特に糖尿病と内分泌攪乱物質との関係
Project/Area Number |
14571563
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平松 祐司 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80218817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 靖司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20294465)
増山 寿 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30314678)
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Keywords | diabetic embryopaty / diabetes / pregnancy / protein kinase C / diacylglycerol / hemodilution |
Research Abstract |
わが国において糖尿病は急速に増加し,過去5年間で糖尿病は50万人,予備軍は200万人増加している.この傾向は妊婦においても同様である.糖尿病合併妊娠の合併症である胎児奇形は過去50年間減少していない.この理由としては,見逃されていた糖尿病が多い,計画妊娠がなされていないことなどがある.この糖尿病合併妊娠における胎児奇形の発生機序については不明の点が多く,今回この機序を明らかにすることを目的とした. ICRマウスにストレプトゾトシン(STZ)投与し糖尿病を作成検討した.STZ糖尿病モデルでは胎仔奇形が増加した.最近の糖尿病研究において最も注目されている異常の1つにDiacylglycerol (DAG)-Rrotein Kinase C(PKC) cascadeの異常があるが,糖尿病合併妊娠の胎仔,胎盤においてもPKC活性の増加,DAG量の増加が認められた.器官形成器の妊娠7.5日の一過性の高血糖負荷においてさえ,妊娠9.5日胎仔に同様の傾向を認めた.これらの結果はDAG-PKC cascadeが胎仔奇形発生に密接に関与していることを示している. インスリン抵抗性,脂質代謝と密接に関連しているperoxidase proliferator activated receptor γ (PPAR γ)も期間形成期(妊娠9.5日)の糖尿病合併妊娠の胎仔,胎盤で異常を来していることを見いだした. また,母体環境も胎児に間接的影響を与えるため,とくに糖尿病合併妊娠での母体血液レオロロジーにつき検討したところ,糖尿病合併妊娠では血圧上昇,蛋白尿増加といった妊娠中毒症症状を呈し,血液流動障害もおこり,胎仔発育に影響を及ぼしていることが判明した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 平松祐司, 工藤尚文, George L King, Mary R Loeken: "器官形成期の一過性高血糖の胎仔奇形に及ぼす影響-特にDiacylglycerol(DAG)-protein kinase C(PKC)cascadeの関与について"糖尿病と妊娠. 2. 72-75 (2002)
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[Publications] 藤原美佐保, 水谷靖司, 平松祐司, 工藤尚文: "ストレプトゾトシン糖尿病合併妊娠ラットの血液レオロジーについての検討"糖尿病と妊娠. 2. 76-79 (2002)
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[Publications] Inoshita H, Masuyama H, Hiramatsu Y: "The different effect of endocrine disrupting chemicals on the estrogen receptor-mediated transcription through the interaction with coactivator TRAP220 in ut."J Mol Endocrinol. 31. 551-561 (2003)
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[Publications] 増山 寿, 井下秀司, 平松祐司: "環境ホルモン作用の分子機構"産婦人科の実際. 52. 2343-2351 (2003)