2003 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌集学的治療におけるテロメラーゼ活性制御機構とアポトーシス調節遺伝子の同定
Project/Area Number |
14571565
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
永井 宣隆 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90198292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重政 和志 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30294557)
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Keywords | 子宮癌 / 卵巣癌 / 集学的治療 / テロメラーゼ / アポトーシス |
Research Abstract |
1)同意の得られた進行子宮頸癌40例に対し、術前CDDP動脈注入療法(以下動注)を実施し、動注前と動注後3週間での生検組織を用いてアラキドン酸からプロスタグランジン合成に関与し、増殖因子、サイトカインなどにより誘導されるCOX-2発現量とアポトーシスをそれぞれ免疫組織化学とTUNEL法によるA.I.(apoptotic index:アポトーシス指数)として検討し、術前CDDP動注療法の抗腫瘍効果判定を実施した。その結果、子宮頸癌では45.0%にCOX-2高発現が検出され、腺癌での検出率が高かった。また動注後のA.I.値の推移から、COX-2発現が検出されない子宮頸癌では1回目の動注でのA.I.値0.96±0.46、2回目の動注でのA.I.値3.19±2.72と有意に2回目のCDDPでの抗腫瘍効果が認められた(P=0.0098)。 一方、COX-2高発現の子宮頸癌ではA.I.値はCDDP動注の回数による変化は認められなかった。以上より、子宮頸癌におけるCOX-2発現の検出が術前CDDP動注療法の薬剤感受性を規定する因子として有益であることが示唆された。 2)正常子宮内膜細胞におけるテロメラーゼ活性調節因子を検出する目的で増殖期、排卵期、分泌期の子宮内膜上皮細胞、間質細胞、上皮細胞+間質細胞の各群にてそれぞれ培養し、テロメラーゼ活性をTRAP法で検出した。その結果、テロメラーゼ活性は上皮細胞でのみ検出されたが、間質細胞を加えることで増加し、その一つの因子として間質細胞で産生される線維芽細胞増殖因子(FGF)の関与を認めた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nagai N.: "Overexpression of COX-2 protein and its relationship to apoptosis in cervical carcinoma treated with neoadjuvant chemotherapy"Int J Mol Med. 12. 709-714 (2003)
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[Publications] Fukai Y.: "Validation of a simple gas chromatographic-mass spectrometric method for the determination of GBL in human plasma"J.chromatography. 785. 73-80 (2003)
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[Publications] Oshita T.: "Telomerase activation in endometrial epithelial cells by paracrine effectors from stromal cells in primary cultured human endometrium"Int J Mol Med. 13. 425-430 (2004)