2002 Fiscal Year Annual Research Report
胎児・新生児・妊婦の心拍数変動における非平衡ダイナミクスの解析と臨床応用
Project/Area Number |
14571569
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
庄野 秀明 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (10154345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄野 真由美 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00336132)
室 雅巳 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (80284652)
高崎 光浩 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (70236206)
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Keywords | フラクタル / 非線形 / 心拍数変動 / 周産期 |
Research Abstract |
我々が開発した10分間の胎児心拍数データを解明する目的で作られたrandom-walk analysisの一種であるQIS-Aをもとに、24時間以内なら解析時間を自由に設定出来、より解析精度を向上させた新フラクタル構造解析法(new QIS-A)を作成した。新プログラムのアルゴリズムは以下の4点に要約される。1)現時系列データ(N)をn点のボックスに分割、2)ボックス毎に平均からの偏位を順次積和した時系列を作成し、ボックス毎にこの時系列の平均値を引いた新時系列を作成、3)この新時系列(N)の標準偏差(S(n))を算出する。以上の計算をnを変化させて繰り返し(4≦n≦N/10)、S(n)のスケーリング特性をfractal scaling exponentとして両対数グラフ上での傾き(α)をpiecewise linear regression analysisによって算出する。 さらに、シミュレーション・データの利用によって、従来のスペクトル解析を用いた方法より、new QIS-Aは個々の心拍毎の微細な変動(基線細変動)からultradian rhythmを越えてcircadian rhythmにおよぶスケーリング特性を解明し、胎児・新生児心拍数変動の制御系の発達や胎児仮死の定量的評価(フラクタル次元)への有用性が証明された。 データ収集に関しては、本院の胎児・新生児心拍数データベースにノン・ストレス・テストの約1時間の胎児心拍数データ、さらに、24時間胎児・新生児心拍数データにおいては、正常妊娠症例、異常妊娠症例として妊娠中毒症、切迫早産、内分泌疾患合併、胎児仮死、子宮内胎児発育遅延、胎児奇形を収録中である。同時に、new QIS-Aによる解析を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hideaki Shono: "Differences in fractal structure of adult heart rate fluctuation between successive rapid eye movement sleeps"Psychiatry and Clinical Neurosciences. 56. 281-282 (2002)
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[Publications] Masami Muro: "Analysis of the influence of diurnal variation in maternal movements on fetal heart rate acceleration"Psychiatry and Clinical Neurosciences. 56. 247-248 (2002)
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[Publications] Hideaki Shono: "A new method to determine a fractal dimension of 24-H fetal heart rate fluctuation"54^<th> Annual Congress of the Japan Society of Obstetrics and Gynecology. 49-52 (2002)