2004 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜の発癌過程におけるコネキシン機能異常のメカニズム
Project/Area Number |
14571575
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 豪 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90145566)
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Keywords | 子宮内膜癌 / 細胞接着 / 細胞間コミュニケーション / 発癌 / E-cadherin / connexin |
Research Abstract |
E-cadherinを始めとする細胞間認識あるいは結合を担う膜蛋白はコネキシンの膜内構造を安定化させ機能調節にも関与していると考えられており、さらに様々な腫瘍でE-cadherinの発現異常がその遺伝子のプロモーター領域のメチル化によって持たされることも明らかになった。本研究では子宮内膜の発現過程、あるいは子宮内膜の進展過程においてE-cadherinの発現異常とそのメチル化について検討し、細胞間コミュニケーションに与える影響について検討した。また、子宮内膜癌細胞株を用いE-cadherinが発現しているものとしていないものの間でコネキシンの発現と局在について検討しE-cadherinの発現が細胞間コミュニケーションに与える影響を検討した。 本研究では培養系においてE-cadherinの発現を抑制することによって引き起こされる細胞間コミュニケーションの影響を観察した。E-cadherin遺伝子に対するアンチセンスオリゴを作成し(Biognostik社)、これをE-cadherinとcannexinのいずれも発現している細胞に添加し、E-cadherinの発現を抑制する。この細胞を用いてconnexin26の細胞内局在を免疫組織化学的に、ギャップ結合を介した細胞間コミュニケーションについてlucifer yellow dye transfer assayによって計測し、E-cadherinの発現を抑制することによりconnexin26の発現は抑制されないが、細胞内の局在が細胞膜上から細胞質に変化し、その結果細胞間コミュニケーションが抑制されることが明らかになった。 また、子宮内膜の発癌に係わっているエストローゲンレセプターと細胞間コミュニケーションの関係を調べるために、子宮内膜癌細胞株にエストローゲンレセプターを強制発現させ、細胞間コミュニケーションの変化を調べたところ、これにより細胞間コミュニケーションは抑制されることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)