2002 Fiscal Year Annual Research Report
染色体異常に対する新たな非侵襲的出生前スクリーニング法の開発
Project/Area Number |
14571579
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
福島 明宗 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20208937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 忠宏 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00337148)
小山 理恵 岩手医科大学, 医学部, 助手 (20291619)
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Keywords | 胎児由来細胞 / 有核赤血球 / Laser Scanning cytometry / Magnetic cell sorter |
Research Abstract |
我々が開発を進めてきた比重遠心法、magnetic cell sorter (MACS)およびnested-PCRの手法を用いた胎児由来有核赤血球(FNRBC)検出方法での胎児性別判定試験では全妊娠経過のうち1^<st> trimesterにおいてSpecificity:100%, Sensitivity:81.8%, positive predictive value:100%, negative predictive value:75%と一番高率にFNRBCを検出する事が可能であった。しかし本システムでのFNRBCの定量的解析は不可能である。現在、fluorescence in situ hybridization(FISH)を施行したのち蛍光顕微鏡による定量的分析が一般的に行われているが、肉眼検索への多大な労力と標的細胞の見落としが避けられない。そこで我々はLaser scanning cytometry (LSC)による胎児由来細胞の検索および定量的解析の自動化を試みた。平成14年度はMACSによる細胞分離の基礎的研究とLSCによる自動分析の基礎的検討を行った。 【磁気細胞分離装置に関する基礎的研究】採血された血液を比重遠心法にて有核細胞成分を分離し、その後magnetic cell sorterによるCD45モノクローナル抗体およびGlycophorin Aモノクローナル抗体を使用した二段階選別により目標とする胎児由来細胞成分を濃縮した。比重遠心法とMACSを用いて全血から有核細胞成分の分離を行ったところ、MACSの第一段階でnegative selectionされた細胞は全有核細胞中の41.56%であり、第二段階でpositive selcctionされた細胞は全有核細胞中の1.69%であった。 【染色体数自動検出システムに関する基礎的研究】LSCによる解析は、肉眼でも明らかにFITC陽性と認識した細胞を陽性細胞とし、LSCがFITCを認識しても肉眼では確認されない細胞を判定不能細胞に分類した。その結果全妊娠経過中におけるFNRBC出現の頻度は、各個体差が認められたが約10^7個中1個から10^6個中5個の割合の範囲であることが明らかになった。
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