ヒト子宮内膜におけるbcl-2転写因子

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14571592
• Research Institution: Osaka Medical College
• Principal Investigator: 大槻 勝紀 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 李 忠連 大阪医科大学, 医学部, 助手 (80319532) ; 伊藤 裕子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40148432) ; 植木 實 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40084892)
• Keywords: 子宮内膜 / bcl-2 / 転写因子 / Biacore / ATF-1 / Sp-1 / AP-1 / c-Jun

Research Abstract

ヒト正常な子宮内膜の腺上皮におけるbcl-2の転写制御因子として可能性のあるものについて、我々は先ず免疫組織染色法を用いて検索した。また、それらの結果を検証する為、bcl-2プロモーターの異なる転写因子結合領域Oligoと月経周期の異なる子宮内膜腺上皮の核内抽出物を用いて、各転写因子-DNAの結合状態を経時的にBiacoreを用いて観察した。
AP-1転写因子の一つであるc-Junは増殖期の腺上皮内に強く発現し、分泌期ではその発現は低下した。bcl-2プロモーターに存在するAP-1結合領域は子宮内膜腺上皮の核内抽出物とDNA/c-Jun複合体を殆ど形成した為、AP-1が直接にbcl-2の転写を制御する可能性は高いと示唆される。
bcl-2プロモーターに存在するCRE結合領域は増殖期の子宮内膜腺上皮核内抽出物とDNA/ATF-1複合体を形成した。一方、同じCRE結合領域は分泌期の子宮内膜腺上皮の核内抽出物とDNA/CREB-1複合体を形成しない為、ATF-1はbcl-2の転写制御に関与する可能性があると考えられる。
Sp-1はbcl-2プロモーターに存在する二つのSp-1結合領域とDNA/protein複合体を形成する事が新たに確認された。この複合体の形成における月経周期的変化は、現在確認するところである。
Wilms'腫瘍で注目されたWT-1は、主に子宮筋層で発現していた。また、子宮内膜腺上皮の核内抽出物とbcl-2プロモーターにあるWT-1結合領域はDNA/WT-1複合体を形成しない為、WT-1は子宮内膜腺上皮で機能する可能性が低いと示唆される。

Research Products

• [Publications] 大槻勝紀, 李 忠連: "遺伝子転写制御のための新たなTool(Real Time South Western Method)"細胞. (in press).
• [Publications] Y.Otsuki, Z.L.Li, M.A.Shibata: "Review : Apoptotic detection methods-from morphology to genetics"Urban & Fischer, (Germany)(in press).