2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571592
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
大槻 勝紀 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 實 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40084892)
伊藤 裕子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40148432)
李 忠連 大阪医科大学, 医学部, 助手 (80319532)
|
Keywords | 子宮内膜 / bcl-2 / 転写因子 / Biacore / AP-1 / e-Jun / ERa |
Research Abstract |
ヒト正常な子宮内膜の腺上皮におけるbcl-2の転写制御因子として、我々は前年度の研究結果に基づいてc-Junに対するERaの作用を中心に観察し、Biacoreなどの技術を用いて解析した。その結果、ERaは増殖期の腺上皮内に強く発現するc-Junとbcl-2プロモーターに存在する二つのAP-1 motifへの結合を強める作用が認められた。一方、分泌期に発現が低下するc-Junに対して、ERaの存在にも関わらずc-Jun/bcl-2プロモーター複合体の存在が認められなかった為、c-Junによるbcl-2の転写制御はc-Junに対するERaの作用を受けると示唆される。その上、c-Jun/bcl-2プロモーター複合体にはリン酸化されたc-Jun(Ser73)が不安定に存在する事から、この増殖期特異的に存在するERaの作用は非リン酸化c-Junとリン酸化されたc-Jun(Ser73)に深く関わると考えられる。 更に、c-Junのプロモーターに存在する複数のERE結合領域の一つは、増殖期の子宮内膜腺上皮の核内抽出物とDNA/ERa複合体を特異的に形成し、分泌期の核内抽出物とDNA/ERa複合体が検出されなかったことから、ERaは直接にc-junの転写を制御することを突き止めた。 以上の結果から、ERaは直接にc-Junの転写を制御する一方、c-Junに結合することによって、ヒト子宮内膜腺上皮で増殖期特異的に発現するBcl-2の転写をコントロールすると考えられる。
|