2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子分泌細胞の蝸牛内導入による老人性難聴の治療・予防戦略
Project/Area Number |
14571604
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
東海林 史 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80270833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 敏彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70280881)
小池 卓二 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10282097)
池田 勝久 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70159614)
吉田 尚弘 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90291260)
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Keywords | 老人性難聴 / 神経栄養因手 / 遺伝子導入 / 蝸牛内移植 |
Research Abstract |
従来、積極的な治療法がなく、その聴覚障害に対しては補聴器などにたよらざるをえなかった老人性難聴に対する新たな治療戦略の可能性1つとして、加齢による聴覚系の変性の神経栄養因子遺伝子導入による軽減が考えられる。今回は、モルモットを用い、線維芽細胞に神経栄養因子を永久的に発現させることができるか、また、遺伝子導入された細胞の蝸牛内への移植により老化変性を防止するかができるか否かを検討する目的で、以下の研究を実施した。 1 モルモット線維芽細胞への遺伝子永久発現の試み 臨床の老人性難聴の治療を考慮すると、遺伝子の永久発現が必須となる。今回は、ベクターとしてクロンテック社のpIREShrGFPをもちい、これにネオマイシン耐性遺伝子を選択マーカーとして導入し、個々のモルモットより採取した繊維芽細胞に永久的に遺伝子発現させるよう試みた。 2 レポータージーンを用いた細胞移植実験 さらに、老人性難聴の退行変性に対し、遺伝子を長期に安定的に発現させるため、蝸牛内に移植した線維芽細胞を長期に生存させる方法、すなわち、外リンバ内移植、あるいは内リンパ内移植をGFPによる蛍光をレポーターとして検討した。 現在までのところ、上記条件下の実験では、恒常的に永久的遺伝子発現を認めるには至らなかった。臨床応用を考えた治療戦略上、確実な遺伝子発現が必要となるであろう。
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