2002 Fiscal Year Annual Research Report
鼻粘膜におけるヒスタミンH3受容体の局在とその役割
Project/Area Number |
14571615
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹内 万彦 三重大学, 医学部, 助教授 (50206942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸岡 睦子 三重大学, 医学部, 助手 (10314113)
間島 雄一 三重大学, 医学部, 教授 (60024791)
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Keywords | ヒスタミン / H3受容体 / 鼻アレルギー / RT-PCR |
Research Abstract |
鼻粘膜におけるヒスタミンH3受容体mRNAの発現を調べるため、ヌクレオチド754-778を上流プライマー、1383-1406を下流プライマーとして、RT-PCRを行ったところ、650bp付近と400bp付近にバンドがえられ、過去の報告と照らし合わせて前者は652bp、後者は412bpの産物と推定された。前者のバンドの方が後者のバンドより発現量が多かったので、652bpのバンドをpCRIIプラスミドにクローニングし、鼻粘膜におけるヒスタミンH3受容体mRNAの局在を検討した。非アイソトープのdigoxigeninで標識したH3受容体cRNAプローブを作製し、鼻アレルギー患者の下鼻甲介粘膜の切片上でin situ hybridizationを行ったが、明らかなシグナルを検出することは困難であった。この原因として、鼻粘膜におけるヒスタミンH3受容体mRNAの発現量が少ないか、あるいはヒスタミンH3受容体は鼻粘膜に存在するものの、鼻粘膜では産生されていない可能性が示唆された。そこで、免疫組織学的にヒスタミンH3受容体タンパクの発現を検討した。Alpha Diagnostic社のウサギの抗ヒトH3受容体抗体を用いてアレルギー性鼻炎患者の下鼻甲介粘膜を用いた検討では、シグナルが間質にみられ、神経あるいは浸潤細胞がヒスタミンH3受容体を発現しているものと思われた。また、上皮にも弱いシグナルがみられた。次に鼻アレルギー患者と健常者におけるヒスタミンH3受容体mRNA発現量の差の検討のために、鼻アレルギー患者と健常者の下鼻甲介粘膜を採取し、半定量的RT-PCTによりヒスタミンH3受容体mRNA発現量の差を検討したが、下鼻甲介の擦過片からはヒスタミンH3受容体mRNAのバンドを殆ど確認することができず、少なくとも擦過で得られる組織中にはH3受容体mRNAの発現は多くないものと考えられた。
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