2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571623
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 智矢 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30230577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅崎 俊郎 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (80223600)
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Keywords | 脳磁図 / SQUID / 嚥下 / 誤嚥 / 味覚 / 聴覚 / QOL / 大脳 |
Research Abstract |
研究の概要 脳磁気とは超電導量子干渉装置(SQUID、Super-conductive Quantum Interference Device)を 用いて中枢神経活動に伴って発生する微弱な時期を記録し、神経活動の部位や様式を解析する手法である。その時間分解能は約3ミリであり、時間分解能は1ミリ秒以下と高い制度を持っている。研究代表者はこれまでSQUIDを用いて聴覚、体性感覚そして味覚刺激に対する大脳皮質の機能マッピングを開発してきた。 医療の高度化と高齢化が進む現在、脳血管障害のため救命しても嚥下障害が残存し、QOL(生活の質)が低下することによって社会復帰や自立の妨げとなる場合が多い。また脳血管障害で救命できる症例の多くがこのような大脳病変による仮性球麻痺による嚥下障害を示している。しかし、今まで脳幹に存在する嚥下中枢をコントロールする上位脳の制御機構については殆ど知見が無い。 今回の研究では嚥下運動遂行時の大脳皮質活動を記録し、大脳皮質が嚥下中枢に対しどのような制御を行っているか、そのメカニズムの解明することを目的とする。このために、嚥下に対する味覚溶液供給装置、嚥下のトリガーとしての舌骨上筋群活動を記録する装置、それにより脳磁気を加算し、解析、表示するソフトウェアおよびハードウェアを開発する。さらに、この手法によって嚥下障害の診断法の確立と臨床応用をめざす。 研究の実績 正常被験者5名の頸部舌骨上筋群より筋電図を記録し、自律的なジュースによる嚥下運動中に中枢で誘発される磁気を加算記録した。この結果、舌骨上筋群の活動に数十ミリ秒先行して、大脳弁蓋部および島部に活動を同定することに成功した。この部位は味覚に関係しているとされる部位の前方にあたる。このことから、嚥下口腔期に大脳弁蓋部および島部に発生する中枢活動が嚥下運動を惹起するメカニズムに関与していると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fukuda M, Yamamoto T. et al.: "The isochronic band hypothesis and climbing fibre regulation of motircity : an experimental study"Eur.J.Neurosci. 13. 315-326 (2001)
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[Publications] Yamamoto T, Fukuda M. et al.: "Bilaterally synchronous complex spike Purkinje cell activity in the mammalian cerebellum"Eur.J.Neurosci. 13. 327-329 (2001)
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[Publications] Gondo K, Tobimatsu S, Kira R, Tokunaga Y, Yamamoto T. et al.: "A magnetoencephalographic study on development of the somatosensory cortex in infants"NeuroReport. 12. 3227-3231 (2001)
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[Publications] Oishi A, Tobimatsu S, Ochi H, Ohyagi Y, Kubota T, Taniwaki T, Yamamoto T. et al.: "Paradoxical lateralization of parasagittal spikes revealed by back averaging of EEG and MEG in a case with epilepsia partialis contiuna"J Neurolog Sci. 193. 151-155 (2002)
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[Publications] Hisada K, Morioka T, Nishio S.Yamamoto T. et al.: "Tow magento-encephaographic epileptic foci did not coincide with the electrocorticographic ictalonset zone in a patient with temporal lobe epilepsy"Neurologica Research. 23. 830-834 (2001)