2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571623
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
梅崎 俊郎 九州大学, 大学病院, 講師 (80223600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 一雄 九州大学, 大学病院, 助手 (90380386)
松山 勝哉 九州大学, 大学病院, 医員
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Keywords | 嚥下皮質 / 超伝導量子干渉装置 / 電流双極子 / 嚥下障害 / 島皮質 / 咽頭期嚥下 / 皮質延髄路 / 皮質弁蓋部 |
Research Abstract |
過年度までの研究に加え、正常被検者6名より咽頭期嚥下の活動開始に約100msec先行して始まり約50msec前にピークを示すcurrent dipoleを皮質運動野最下部付近,弁蓋部および近傍の島皮質に同定することができた。また、この皮質活動の咽喉頭粘膜表面麻酔によるdipoleの変化から皮質嚥下領野の活動は咽頭期嚥下の惹起性に多大な影響を及ぼすものと考えられた。この部位は味覚に関与する皮質領野の前方に位置する。このことから、嚥下口腔期に大脳弁外部および島皮質に発生する中枢活動が咽頭期の嚥下運動を惹起するメカニズムに関与すると考えられる。 これらの結果を踏まえ、本年度は嚥下困難症例2例についても同様の検査を行った。症例を対象に随意的に開始した少量水嚥下時の脳磁気活動を37チャンネルSQUIDを用いて記録し、32回の嚥下時の脳磁信号を加算平均する。加算平均のためのトリガー信号は、甲状舌骨筋の筋電図活動を全波整流した後、時定数0.1secで積分し、スライサーを用いて咽頭期嚥下の活動開始を検出した。甲状舌骨筋の活動開始時を時刻0として加算平均した各チャンネルの脳磁気信号を解析し、咽頭期嚥下に先行して脳内に発生する電流双極子(current dipole)を時間-空間的に同定した。解剖学的部位の同定には別に記録したMRI画像に3次元的に双極子記録をsuperimposeすることにより各被検者の嚥下の皮質領野を空間的に同定した。 これまでに記録した正常者の嚥下に関与する双極子の時間的・空間的関係を嚥下障害者患者、特に脳血管障害による嚥下障害症例と比較した結果、皮質弁蓋部および島皮質でのdipole出現より咽頭期嚥下の開始までの時間が延長し、咽頭期嚥下の惹起が遅延することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)