2004 Fiscal Year Annual Research Report
好酸球性副鼻腔炎および中耳炎の病態に関する分子生物学的解析
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14571625
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
増山 敬祐 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30181663)
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Keywords | 好酸球 / ロイコトリエン / ロイコトリエン拮抗剤 / 副鼻腔炎 |
Research Abstract |
好酸球性副鼻腔炎では局所の好酸球浸潤にIL-5およびEotaxinの発現が関与しており、鼻茸の部位による好酸球浸潤の程度の違いにもその発現量が反映されていた。また、喘息を合併する好酸球性副鼻腔炎では、システィニルロイコトリエンの産生が高く、そのような症例ではIL-5やEotaxinで活性化された好酸球によるロイコトリエン産生が副鼻腔炎の病態形成に関与している可能性が考えられる。ロイコトリエン産生量は鼻内視鏡手術により減少することが報告されており、局所の好酸球が関与している可能性が示唆されている。今回は、好酸球性慢性副鼻腔炎に対するロイコトリエン拮抗剤の効果を検討した。3〜6ヶ月の保存的治療に抵抗性を示す副鼻腔炎、または鼻茸や高度病変を有するいわゆる難治性好酸球性副鼻腔炎症例34例を対象に、ロイコトリエン拮抗剤(プランルカスト)を2ヶ月間投与し、症状・所見のスコアの変化を投与前と投与2ヶ月後で比較検討した。自覚症状では、鼻汁、後鼻漏、鼻汁のかみやすさにおいて有意なスコアの減少を認めたが、鼻閉、嗅覚障害においてはスコアの減少は明らかではなかった。一方、他覚所見では、鼻汁量、鼻汁の性状、鼻粘膜の腫脹において有意にスコアが減少した。以上の結果より、ロイコトリエンが副鼻腔炎の病態に一部関与していることが示唆された。さらに、ロイコトリエン拮抗剤は難治性副鼻腔炎において、特に鼻汁や後鼻漏の改善に効果があることが示された。
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Research Products
(4 results)