2004 Fiscal Year Annual Research Report
Explant Cultureを用いた鼻アレルギー過敏性亢進の制御法の開発
Project/Area Number |
14571642
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大久保 公裕 日本医科大学, 医学部, 助教授 (10213654)
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Keywords | 神経ペプチド / サブスタンスP / アレルギー性鼻炎 / 気道過敏症 / 抗原誘発 / 花粉症 |
Research Abstract |
気道粘膜上皮には知覚神経終末が存在し,神経刺激がアレルギーを含む気道炎症に関与している可能性が考えられている。実際にサブスタンスP(SP)を中心にした神経ペプチドによって惹起される神経原性炎症によって,喘息では気道過敏性が亢進する。 この気道過敏性を鼻粘膜でも証明しようとした本研究では昨年は粘膜上皮層におけるSPの増加発現機構を知る目的でSP mRNAのリアルタイムPCRの測定系を構築した。測定系はSPの前駆体であるプレプロタキキニンmRNAのバリアントをすべて検出できるよう設計した。この測定系を用いて花粉症患者では花粉飛散季節に血清中のSP mRNAが増加する傾向が認められた。また花粉飛散季節の前では検出限界以下であった。 今年度はスギ花粉症患者に対し,スギ花粉非飛散期に抗原誘発を行い,抗原誘発前と誘発10分後に鼻粘膜を擦過し、得られた鼻粘膜上皮層をリアルタイムPCR法によってSP、Neurokinin(NK)-1受容体、Neurokinin(NK)-2受容体、バニロイド受容体(TRPV-1)、Neutral endopeptidase(NEP)、エンドセリン、エンドセリン変換酵素のmRNAを検討した。抗原誘発反応陽性の群ではNK4受容体、NEP、エンドセリンのmRNAの発現が増加する傾向にあったが、誘発反応の陰性群では変化がなかった。 以上の検討から鼻アレルギー反応では抗原特異的反応だけでなく,鼻粘膜表層の神経終末が神経ペプチドを分泌し,アレルギー反応を抗原非特異的に増強させる役割を果たしている可能性が示された。さらに今年度を含む3年間の検討から鼻粘膜局所でのSP mRNAの亢進、タンパク発現とその酵素による制御は局所の過敏性亢進に係わっている可能性が示唆された。
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