2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571645
|
Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
釼持 睦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10257397)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 健太郎 聖マリアンナ医科大学, 講師 (20214158)
|
Keywords | 聴覚障害 / 大脳聴皮質野 / 腎障害 / 塩酸アミカシン |
Research Abstract |
中枢側の聴神経の神経活動として、第一次聴皮質野、第二次聴皮質野、蝸牛神経にそれぞれ2〜3本のタングステン電極を挿入し、それぞれの電極から最大8つの単一ユニットが記録され、その神経発火数について検討した。 実験動物は全身麻酔を行い、麻酔維持にケタミンを用いた。頭右頭側葉上をドリルにて開頭し、大脳聴皮質野から神経活動を記録、測定した。蝸牛神経の場合は、後頭部を開頭すると小脳が露出され、その小脳を除去すると蝸牛神経が現れ、そこから電位を測定した。聴神経を記録するためには音のON、OFFが重要なため、音刺激はクリック、トーンバースト、トーンピップを用いてTDT workstationにて作成した。 腎障害モデルは、大量の塩酸アミカシンを用いて腎障害、及び蝸牛障害の作成を行った。従来の報告による600mg/kgの投与では聴神経に変化を来たさなかったため、750mg/kgを連日10回、筋肉注射にて行い、投与1ヶ月後に聴神経から神経活動を測定した。結果は蝸牛神経の神経発火は異常を来たし、第一次聴皮質野の自発放電数は不変あるいはやや減少し、第二次聴覚皮質野では増加する傾向を示した。これは、以前我々が報告したサリチル酸、キニン投与による耳鳴発現時の変化と類似する結果となった。おそらく腎障害によってmedium sized catabolic toxic moleculesからなる毒性代謝産物が脳内の浸透圧、イオン組成の変化を来たしhomeostasisの障害を引き起こしたために中枢側の聴神経に異常を来たしたと推測された。しかし、固体により反応のばらつき、アーチファクトの問題などがあるため、今後さらに増やして検討を加えていく。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kenmochi M: "Cortical potentials evoked by horizontal Rotatory stimulation : The effects of angular acceleration."Acta otolaryngol. 23. 923-927 (2003)
-
[Publications] Ochi K: "Hearing impairment and tinnitus pitch in patients with unilateral tinnitus : comparison of sudden hearing loss and chronic tinnitus."Laryngoscope. 113. 427-431 (2003)