2002 Fiscal Year Annual Research Report
掌蹠膿疱症の診断・治療指針の確立とモデル動物への応用
Project/Area Number |
14571650
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
橋口 一弘 財団法人北里研究所, 北里研究所病院, 耳鼻咽喉科研究員 (80172849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新関 寛徳 国立東京医療センター, 皮膚科研究員 (10228124)
松延 毅 財団法人北里研究所, 北里研究所病院, 耳鼻咽喉科研究員 (00332205)
稲本 伸子 財団法人北里研究所, 北里研究所病院, 皮膚科研究員 (80129337)
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
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Keywords | 掌蹠膿疱症 / 動物モデル / G-CSF / ペプチドグリカン / 無菌性膿疱 |
Research Abstract |
掌蹠膿疱症は手掌・足底に多数の無菌性膿疱を形成し、緩解と増悪を繰り返す慢性膚疾患である。病変部皮膚においては膿疱形成と著しい好中球浸潤が特徴的である。 今回われわれは皮下組織内に無菌性膿疱形成とその中に好中球浸潤を生じる動物モデルを作製することを目的とした。実験にはマウスC3H/HeN strainオス9週齢(20g)を使用した。まずマウスに顆粒球血症を作るために、G-CSF(ノイトロジン【○!R】、中外製薬)200μg/kg(4μg/20gマウス)を4日連続皮下投与した。(N=5)投与前好中球は19.6±1.1%であったが、投与後2週間では37.1±7.7%と約2倍に増加していることが確認された。次に皮下組織内に膿疱形成および膿疱内への好中球浸潤を生じるマウス作成を目的とし、4日連続G-CSF皮下投与群(200μg/kg)(実験群)とPBS皮下投与群(コントロール群)を作製した。(各々N=4)10日後に腹部を約1cmX1cmの範囲を剃毛し、0.1mg/mlのペプチドグリカン(PGN;Sigma社、USA)を0.2ml皮内投与した。12および24時間後に屠殺し、腹部皮膚を採取した。採取した皮膚はホルマリン固定後H-E染色をした。実験群では、PGN投与12、24時間後の皮膚組織において、真皮内に好中球浸潤が多数観察され、表皮内では膿疱形成と膿疱内に好中球の浸潤像が多数観察された。一方コントロール群においても一部真皮内、表皮内に好中球浸潤像が見られたが、実験群に比べ膿疱の数は少数であった。今回グラム陽性球菌の菌体成分のPGNの皮下投与により無菌性膿疱が形成された。今後再現性を確認すると共に膿疱形成のメカニズムについても検討予定である。
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