2002 Fiscal Year Annual Research Report
眼組織における有機アニオントランスポーターの発現と機能の解析
Project/Area Number |
14571654
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 克宏 東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (20200610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 信 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004720)
阿部 高明 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80292209)
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Keywords | 有機アニオントランスポーター / organic anion transporting polypeptide / oatp / 網膜組織上皮細胞 / 毛様体無色素上皮細胞 / 角膜上皮細胞 / 甲状腺ホルモン / 視神経繊維 |
Research Abstract |
ナトリウム非依存性有機アニオントランスポーター(organic anion transporter)は、甲状腺ホルモン、ステロイド、プロスタグランディンなどと結合し、細胞間の薬物移行に関与する重要な機能を有する構造蛋白であり、ラットの有機アニオントランスポーター遺伝子として、oatp1、oatp2、oatp3が知られている。今回、我々が行ったin situ hybrydizationでは、oatp2のシグナルを網膜色素上皮(RPE)と内顆粒層の一部の細胞に、oatp3のシグナルを神経節細胞に認めた。網膜の免疫組織染色では、oatp2はRPEの視細胞側が特に強く染色され、oatp3では視神経、神経線維層から外顆粒層まで広範囲に染色された。ラット前眼部の検討では、虹彩・毛様体、角膜ともoatp2とoatp3の発現が認められた。前眼部の免疫組織化学では、角膜、虹彩、毛様体の各上皮細胞に染色がみられた。以上の結果から、眼内でのoatpの局在についてまとめると、oatp2は血液網膜関門を構成するRPEの視細胞側に発現し、RPEでの甲状腺ホルモンなどのナトリウム非依存性輸送に関係すると考えられた。また、oatp3は主に視神経線維に存在し、基質の輸送に関与していること示された。一方、前眼部ではoatp2とoatp3が毛様体無色素上皮細胞に発現し、血液房水関門における有機アニオン類輸送への関与が考えられた。角膜上皮はバリアーを形成していないが、甲状腺ホルモンのように脂溶性が低く、分子量の大きい物質の輸送にトランスポーターが関与することが示唆された。また、甲状腺ホルモンの結合蛋白であるトランスサイレチンは、RPEでも合成されビタミンAと結合し、そのvisual cycleにおいて重要な役割を果たしていることが知られている。したがって、RPEで特に強い発現が認められるoatp2が、甲状腺ホルモンのみならすビタミンAの輸送も担う可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Aki Ito, Katsuhiro Yamaguchi, 他: "Distribution of organic anion transporting polypeptide 2 (oatp2) and oatp3 in the rat retina"Invest Ophthalmol Vis Sci. 43. 858-863 (2002)
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[Publications] 山口 克宏, 伊藤 亜紀, 他: "網膜における有機アニオントランスホーターの発現と局在"あたらしい眼科. 19. 893-894 (2002)