Research Abstract |
1.本年度の症例を加え男子の全解析例数は454例,P68,PA62,D145,DA166,PCD13例となった。 2.P68例の遺伝子型は,P型52,PA型11,正常型3,確定不能2,PA62例は,P型4,PA型50,正常型4,確定不能2,逆正常型(M-L)2,D145例は,D型123,DA型4,正常型8,確定不能10,DA166例は,DA型106,D型14,正常型25,確定不能21,PCDの13例は全例が正常遺伝子型で-71Cを持っていた。臨床型と遺伝子型の不一致例88のうち44例は-71CあるいはAsn94Lys, Gly338Glu, Cys203Arg, Pro231Leuなどのアミノ酸置換やエキソン5の2塩基欠失で説明がつくものであった。 3.PA62例中確定不能であった4例のうち2例が正常とは逆(M-L)の遺伝子型を持つことを明らかにした。L遺伝子は-71Cを持っていた。これはロングPCRを使って,先頭遺伝子の13kb下流まで,またエキソン5から上流へ27kbまでの情報を得て,その重なった領域(5676bp)の多型から2番目に位置する遺伝子を決めるという,われわれが新たに開発した方法による成果である。 4.視物質遺伝子アレーの最後尾の遺伝子はこれまでエキソン5(と6)の構造しか解析できなかったが,TEX28遺伝子に存在する挿入配列を利用してその全構造を明らかにする方法を開発し報告した。 5.第1異常の125例の結果をまとめ,Vision Research誌上に報告した。 6.パルスフィールド電気泳動を用いた遺伝子数の推定法を確立し,59例を解析した。遺伝子数2が22例,3が22例,4が9例,5が6例であった。遺伝子数6以上は1例もなかった。今後はこれらの標準試料を使って,プロモーターのPCRによる遺伝子数の推定がどこまで可能か,検討の予定である。
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