2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571673
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
大平 明弘 島根医科大学, 医学部, 教授 (00169054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枡田 尚 島根医科大学, 医学部, 助手 (80304278)
海津 幸子 島根医科大学, 医学部, 助手 (00325052)
児玉 達夫 島根医科大学, 医学部, 講師 (60215283)
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Keywords | グルタチオンペルオキシダーゼ / 網膜光傷害 / 抗酸化酵素 / 視細胞 / 網膜色素上皮細胞 |
Research Abstract |
ラットに光傷害モデルを作成して,Glutathione peroxidase (GPX)の網膜における誘導を検討した。GPXは正常網膜において網膜内層,視細胞外節,網膜色素上皮細胞に発現していた。光傷害によって,この発現は増強し,特に視細胞外節での発現は明らかだった。光傷害の首座は網膜視細胞層と言われているが,今回のGPX発現が少ない部位では光傷害を受けやすいことが判明した。また眼球の後極は周辺より光傷害を受けやすと考えられるが,GPXは光傷害を受けやすい部位に存在し,光に対し防御的に働いていると考えられた。またGPX m RNAの光によって発現することを確認した。従来より、網膜の内層は光傷害に対し、外層に比べて傷害されにくいことが報告されてきていた。今回の結果、この抵抗性はGPXの存在や誘導によって網膜内層が保護されている事が示唆された。このモデルでは光によって網膜組織は萎縮することが形態学的にも確認されているが,GPXの誘導を消失のバランスが崩れると,組織傷害が進行するものと考えられる。視細胞外節の誘導されたGPXは80luxの環境にラットを戻し,3日目には消失した。GPXの誘導と消失の関係については網膜色素上皮細胞のバリアー機構の破綻が考えられる。この証明のため,新たな研究が必要であり,次年度で解明する予定である。また,光傷害の防御に関して更なる研究を行なう。GPXの発現部位と経時的変化は他の抗酸化酵素と異なる事が示された。このことはそれぞれの抗酸化酵素が役割分担していると考えられる。 上記の成果はInvest Ophthalmol Vis Sci 2003 Mar;44(3):1230-6に以下の論文として掲載される。 Glutathione peroxidase induced in rat retinas to counteract photic injury. Ohira A, Tanito M, Kaidzu S, Kondo T.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ohira A, Tanito M, Kaidzu S, Kondo T.: "Glutathione peroxidase induced in rat retinas to counteract photic injury"Invest Ophthalmol Vis Sci. 44(3). 1230-1236 (2003)