2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571673
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Research Institution | Shimane University School of Medicine |
Principal Investigator |
大平 明弘 島根大学, 医学部, 教授 (00169054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枡田 尚 島根大学, 医学部, 助手 (80304278)
海津 幸子 島根大学, 医学部, 助手 (00325052)
児玉 達夫 島根大学, 医学部, 助教授 (60215283)
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Keywords | GPX / 80HdG / 網膜光傷害 / 電子顕微鏡 / 網膜色素上皮細胞 / 視細胞 / PCR / アポトーシス |
Research Abstract |
研究方法 網膜光傷害と活性酸素に関する研究では、人為的な条件によって不可逆性の傷害を対象に研究されることが多かった。本研究では、3000luxと比較的弱い光量を用いることにより、自然環境に近い状態での光刺激傷害を分子生物学的方法や免疫組織化学的手法を用いて、定性、定量的に解析した。 1.動物実験法・・・Sprague-Dawleyラット(白色、雄、生後8週齢)を8Olux、緑色光のもとで12時間照射、12時間暗環境の24時間サイクルで2週間飼育した後、3000luxの光のもとで24時間連続照射し、元の環境へ戻した。その直後、1時間、3時間、1日、3日、7日、14日、28日の各時期に眼球を摘出し、材料とした。 2.形態学的観察・・・眼球は4% paraformaldehydeで潅流固定し、定法に従い、光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて光による網膜の組織傷害の程度を検討した。 3.免疫組織化学・・・潅流固定した眼球をパラフィン包埋し、4μmの切片を作成した。脱パラフィン後、一次抗体の種類によってはマイクロウェーブの処理を行った。一次抗体は80HdG, GPX, TRXを用いた。免疫組織化学はペルオキシダーゼ標識の二次抗体を用いて、diaminobentizyme(DAB)で発色した。 4.Western Blot・・・摘出した眼球より神経網膜と網膜色素上皮層を分離し-80℃で凍結保存し、適時Western Blot法を施行した。 5.Reverse transcript polymerase(RT-PCR)・・・GSH-PXに対するプローブを作成し、清潔下し処理した神経網膜と網膜色素上皮層を材料とした。mRNAを抽出したあと、RT-PCRで増幅しGSH-PXの定量的解析を行った。 結果 電顕レベルで網膜の形態的変化はごく少ないものであった。光刺激で色素上皮細胞は視細胞外節の貪食能は高進した。GPXの発現する部位では光による障害が軽度だった。一方、光照射の少ない周辺網膜でのGPXはもともと発現量が少ないことが分かった。光照射の間にGPXのmRNAは形成され、タンパク量も6時間ほど遅れて発現することが分かった。 結論 光傷害に対し、GPXは防御的に作用し、網膜特に視細胞の保護に関与している事が分子生物学的、生化学的、形態学的に証明された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Ohira, M.Tanito, S.Kaidzu, T.Kondo: "Glutathione peroxidase induced in rat retinas to counteract photic injury"Investigative Ophthalmology and Visual Science. 44(3). 1230-1236 (2003)
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[Publications] M.Tanito, T.Takanashi, S.Kaidzu, Y.Yoshida, A.Ohira: "Cytoprotective effects of rebamipide and carteolol hydrochloride against ultraviolet B-induced corneal damage in mice"Investigative Ophthalmology and Visual Science. 44(7). 2980-2985 (2003)