2002 Fiscal Year Annual Research Report
線溶酵素及びマトリックス分解酵素を用いた化学的硝子体切除術の研究
Project/Area Number |
14571679
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
有村 和枝 熊本大学, 医学部, 助手 (20343353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 美紀子 熊本大学, 医学部付属病院, 助手 (10284770)
木村 章 熊本大学, 医学部付属病院, 講師 (20284771)
平田 憲 熊本大学, 医学部付属病院, 講師 (60295144)
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Keywords | plasmin / 硝子体手術 / 後部硝子体剥離 |
Research Abstract |
家兎を用いた実験的後部硝子体剥離の検証 白色家兎を用いた実験モデルにおいて、後部硝子体剥離(PVD)作成に対するplasminの効果を検証した。白色家兎にヒトより精製したplasminを2IU注入し15、30、60分後に観察した。検眼鏡的検査、超音波検査にて硝子体の高度な液化、PVDを疑わせる所見が観察された。その後行った通常通りの硝子体手術においても、硝子体の高度な液化、PVDを確認できた。次にPlasmin注入による毒性に関して検証を行った。網膜機能面の評価として術後1週間,1ヶ月後に網膜電図、その後眼球摘出し、組織学的観察を行った。ともに特に問題はなく、plasmin注入に伴う網膜への影響はほとんどないと思われる。さらに網膜下へPlasminを注入し、術後1週間,1ヶ月後に組織学的観察を行ったが、網膜構造は全層にわたり正常に保たれていた。 Plasminを用いた硝子体手術への臨床応用 倫理委員会による承認を得た上で、患者より同意の上40mlの静脈血を採取し、Lysine-Sepharoseカラムによるアフィニティクロマトグラフィを行い、plasminogenを分離する。抽出した後、濃縮し、0.5mlにした上で、0.22μmのフィルタにて濾過し、-80℃で凍結保存した。感染の有無はサンプルの一部を用いて、当院中央検査部において確認した。精製plasminogenに2,500IUのurokinaseを加えplasminへと活性化させ、plasmin活性量はD-va1-leu-lys-p-nitroanilideを基質とし、スペクトロフォトメーターにて決定した。この方法で本年度35名の患者からPlasminを精製し、平均12(8〜21)IUの活性を得ることができた。この数値はplasminを硝子体中へ注入する際に、十分な効果を期待できる値である。また感染は認めず、安全性も問題ないと思われる。以上より自家血からのplasminの精製に関しては、安全かつ効率よく行う系を確立したと考える。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Akira Hirata, Yasuya Inomata, Takahiro Kawaji, Hidenobu Tanihara: "Persistent subretinal indocyanine green induces retinal pigment epithelium atrophy"American Journal Ophthalmology. (In press).