2002 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルスベクターを用いた新しい血管新生抑制因子の同定
Project/Area Number |
14571685
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
森 圭介 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (90251090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米谷 新 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40143234)
渋谷 雅之 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80337576)
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Keywords | アデノウイルスベクター / 血管新生抑制作用 / early region 4 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
当該研究で本年度実施した内容は、ほぼ計画通りで、マイクロアレイで発現遺伝子を同定した。以下にその詳細を記す。 まず、遺伝子治療用のアデノウイルスを準備した。これは2種類あり、ひとつはE1/E3を削除したもの(第二世代アデノウイルスベクター:AdNull.10)であり、もうひとつはE1/E3/E4を削除したもの(第三世代アデノウイルスベクター:AdNull.11)である。それぞれをC57BL6マウスの硝子体腔に各眼1×10^9ウイルス粒子ずつ注入した。それぞれ合計50眼ずつ注入した。これに非注入眼(コントロール)を同数用意し、それぞれtotal RNAを抽出した。total RNAは各群ともおおよそ350から400ug程抽出できた。そこからmRNAを抽出し、精製、その後cDNA合成し、ビオチンで標識する。その後、cRNAを精製・抽出し、MgOAcでfragment化する。これをAffymetrix社のGene Chip(マイクロアレイ)にhybridizationさせて、そのシグナルを解析した。 現在、解析はまだ終了していないが、いくつかの候補遺伝子が同定されている。このうち特に有望なのが、AdNull.10とAdNull.11との比較の情報が重要であった。なぜならば、この二つのウイルスの間では、抗血管新生作用に大きな違いがあり、そのメカニズムとして、この二つのベクターによる遺伝子発現の差によるものと考えられるからである。当面この二つのベクター投与群の比較のデータを重点的に解析していく予定である。
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