2002 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答培養皿を応用した培養角膜上皮・実質層の作製
Project/Area Number |
14571688
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
篠崎 和美 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10256521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 雅之 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40267117)
高村 悦子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (90197202)
堀 貞夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20143498)
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Keywords | 温度応答性培養皿 / ヒト角膜上皮細胞 / ヒト角膜実質細胞 / 細胞シート |
Research Abstract |
ヒト角膜上皮細胞を東京女子医科大学・先端生命研究所が開発した温度応答性培養皿を用いることで培養細胞をシート状での回収が可能となる。培養角膜上皮細胞のDNA合成能を促進することが知られているEGF、TGF-β、b-FGF、IGF-1などの成長因子の培養に適した濃度、組み合わせを検討している。ヒト角膜上皮細胞のシートを生体に類似した状態で作製するために、ヒト角膜上皮細胞は、マイトマイシン処理をした3T3フィーダーと共培養を行い、重層化させている。温度応答性培養皿を用いることで培養細胞のシートでの回収が可能とされているが、ヒト角膜上皮細胞が培養皿にコンフルエントになるものの、同様の条件で培養してもシート状での回収の再現性が確実でない。安定したヒト角膜上皮細胞シートの回収を得るための培養条件・細胞シート回収方法の設定を行っている。 回収ができたヒト角膜上皮細胞のシートは、光学顕微鏡では、角膜上皮細胞の重層化し、角膜上皮の形態を呈し、基底膜様組織が認められた。透過型電子顕微鏡では、表層細胞では微絨毛が認められた。さらに、角膜上皮に特異的なケラチン3の免疫染色を行い、陽性所見が認められた。 また、ヒト角膜上皮細胞を重層化させるためにマイトマイシン処理を行った3T3と共培養をしているが、臨床応用を考慮した場合、ヒト角膜実質細胞などで代用できることが望ましい。安定した細胞シートの回収ができていないが、ヒト角膜実質細胞との共培養でも重層化したヒト角膜上皮細胞のシート作製ができた。 一方、ヒト角膜実質の培養では、生体の実質層に代わるようなシートは、現在のところ得られておらず、コラーゲンなども用い生体に近い実質層の検討を行う予定である。 使用したヒト角膜上皮細胞は、アメリカアイバンクのヒト角膜細胞を使用した。
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