2003 Fiscal Year Annual Research Report
落屑症候群の原因解明のための家系調査とHLAの分析
Project/Area Number |
14571697
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Research Institution | KURUME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山川 良治 久留米大学, 医学部, 教授 (40166591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 和 久留米大学, 医学部, 助手 (70268928)
門田 遊 久留米大学, 医学部, 講師 (00258477)
吉村 浩一 久留米大学, 医学部, 助教授 (30240352)
熊野 けい子 久留米大学, 医学部, 助手 (60352168)
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Keywords | 落屑症候群 / HLA(ヒト白血球抗原) / 患者数 / 福岡県筑後地方 |
Research Abstract |
「落屑症候群(XFS)患者のHLA検討」 46例(男性34例、女性12例)で、落屑のみ伴うもの8例、緑内障発症38例と、対照群として正常健常者68例を用いた。HLAクラスIの抗原頻度においてA2、A24、B7、B52(5)、B60、CW1、CW7は各々患者群と対照群間で有意な差を認めた(p<0.05)。クラスIIにおいてDR15(2)は26例56.5%(対照群13例4.9%)、DQ4は14例30.4%,(対照群6例9.8%)と各々患者鮮と対照群間で有意な差を認めた(p<0.05)。DR12は4例8.7%(対照群30例49.1%)と落屑症候群において少なく、DR4は18例39.1%(対照群3例4.9%)、DR9は15例32.6%(対照群2例3.2%)、DQ1は37例80.4%(対照群20例32.7%)、DQ3は27例58.6%(対照群6例9.8%)であり、患者群と対照群間で有意差があった(p<0.0001)。緑内障の有無においては、有意差は認められなかった。日本人XFS患者においてはHLAの14の抗原が関連する可能性があり、特にクラスIIのDR、DQの関与している可能性が高いと示唆された。 「福岡県筑後地域の眼科診療施設におけるXFS患者数を2ヶ月にわたり調査」 調査期間は平成15年8月1日〜9月30日の2ヶ月間で、福岡県筑後地方(人口957,251人)で、承諾のあった施設38施設(全58施設)に調査票を送付して集計した。33施設から回収された(回収率:86.8%)。調査期間中のXFS患者2048人(男性673人(32.7%)、女性1378人(67.3%))で、眼科外来総受診者数61819人の3.3%を占めた。新患者数は199人(男性77人(38.7%)、女性122人(61.3%))であり、外来新患者総数12151人の1.6%であった。年齢別では、30代で0.1%(男女比:男100%、女0%)、40代では0.2%(男80%、女20%)、50代では1.3%(男51.9%、女48.1%)、60代では13.3%(男40.8%、女59.2%)、70代で47.6%(男31.9%、女68.1%)、80代で33.4%(男30.4%、女69.6%)、90代以上で4.1%(男27.7%、女72.3%)であった。片眼性58.0%、両眼性42%であった。XFSは男性では早期に発症し、年齢があがるにつれ、女性も発症すると考えられる。短期調査としては比較的高率にXFSが認められ、有病率が高い可能性があり、今後詳しい疫学調査が必要である。
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Research Products
(1 results)