2002 Fiscal Year Annual Research Report
幼ブタを用いた生体内分離肝潅流中の肝細胞と全身の代謝に関する生化学的、電顕的研究
Project/Area Number |
14571701
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
瀬尾 孝彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60262911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝野 伸介 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | 人工臓器 / 臓器灌流 / 生体内分離肝灌流 / 臓器保存 / 体外循環回路 / 自動制御血液灌流装置 / 肝代謝 |
Research Abstract |
平均体重9.8kgの離乳直後の幼ブタ15頭を用い、高木式自動制御血液ポンプと膜面積0.5m^2の膜型人工肺による新生児自動制御血液灌流装置により、肝静脈-門脈バイパス生体内分離肝灌流を行った。自己血で回路を充填し、バイパス琉量を20ml/min/kgとし、グルコースを含ま存い1/2生理食塩水中心の灌流液を15ml/hourで回路に流し、4時間まで肝灌流を行った。灌流開始直後と灌流後1から4時間まで時間毎に灌流血と肝組織を採取した。今年は灌流液中にインスリンとグルカゴンを添加し、コントロール(CONT)、インスリン50μIU/ml添加群(50RI)、150μIU/ml添加群(150RI)、グルカゴン0.017mg/ml添加群(25GL)、0.034mg/ml添加群(50GL)の5群に分け、代謝学的変化を生化学的に検討した。なお、総ビリルビン、GPT、γGTP、総胆汁酸は4時間まで全群ともに正常範囲内であった。総蛋白とアルブミンは各群、灌流時間の経過と共に低下した。中性脂肪はCONTとインスリン群では灌流後上昇したが、グルカゴン群では不変であった。総コレステロールはCONTとインスリン群に比べてグルカゴン群で低下が著明であった。一方、グルコースは灌流開始後に著明に上昇し、1時間値でCONTが1,405mg/dl、50RIが1,323mg/dl、150RIが1,296mg/dl、25GLが1,782mg/dl、50GLが1,680mg/dlとなった。その後、2時間値と4時問値はC0NTが1,279mg/dl、1,144mg/dl、50RIが1,173mg/dl、879mg/dl、150RIが1.060mg/dl、700mg/dl、25GLが1.907mg/dl、2,030mg/dl、50GLが1,686mg/dl、1,507mg/dlとなり、コントロール群とインスリン群では減少したのに対し、グルカゴン群では上昇傾向を示した。インスリンは肝細胞には作用しないと言われているが、今回の検討では濃度依存性に血糖下降作用を示した。
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Research Products
(1 results)