2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571718
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
梁井 皎 順天堂大学, 医学部, 教授 (80114495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 順子 順天堂大学, 医学部, 助手 (90053339)
石 龍徳 順天堂大学, 医学部, 講師 (20175417)
新井 一 順天堂大学, 医学部, 教授 (70167229)
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Keywords | 端側神経縫合 / 神経縫合 / 神経再生 / 神経移植 |
Research Abstract |
端側神経縫合の神経再生メカニズム解明のため、独自の実験モデルを作成しラットにて実験を行った。 現在までの我々の実験で、供与神経が全く無損傷な状態での端側神経接合でも神経再生が得られることが確認されているが、その神経発芽の様子を直接的に観察し得た報告は現在まで行われていない。 今回我々は、Neural tracerであるDilを使用し、端側縫合部での神経発芽の様子を直接的に観察した。 実験方法は、ウイスター系ラットを用い、坐骨神経を採取。左右正中神経間に交叉神経移植を行った。右正中神経に端側縫合を用いるが、縫合を受ける右正中神経(供与神経)が完全に無損傷な群を作成した。I群:移植神経を側神経に筋膜で巻きつけることで神経接合を得る側神経完全無損傷群 II群:側神経の上膜開窓及び部分切断を行った端側神経縫合群。神経縫合30日後、60日後に活動電位及び筋電図を測定し神経再生の有無を確認した。さらに端側縫合部を採取し、供与神経近位部にDilの結晶を貼付。37度のインキュベーター内にて約4週間保存後、切片を作成。共焦点レーザー顕微鏡にて観察を行った。 実験結果は、I・II群ともにすべてのラットに神経再生を認めた。移植神経上の刺激で右側の前腕屈筋群に収縮を認めたことは、再生神経と供与神経の間に交通があることを示唆していた。また、端側縫合部の直接的観察では、Dilが供与神経近位部から端側縫合部を越え移植神経にまで達しており、両群で供与神経から移植神経に向かって再生神経が発芽している様子を観察することが出来た。30日群と60日群を比べると、再生神経が成熟するためか、60日群の方がより多くの再生神経を縫合面全体に観察することが出来、Dilは移植神経のより遠位にまで到達していた。 これらの結果より、端側神経縫合では移植神経に神経線維の枝が誘導され、その枝は供与神経から発芽することによって生じているのではないかと思われた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 林 礼人, 梁井 皎, 西田匡伸, 小室裕造, 井上雅博: "ラットを用いた端側神経縫合による神経再生についての検討-完全に無損傷な端側神経縫合法を用いて-"日本形成外科学会会誌. 22巻11号. 745-754 (2002)
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[Publications] 林 礼人, 梁井 皎, 小室裕造: "ラットを用いた端側神経縫合による神経再生についての検討-Dilによる端側神経縫合部の直接的観察-"日本形成外科学会会誌. 23巻1号. 6-14 (2003)