2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571718
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
梁井 皎 順天堂大学, 医学部, 教授 (80114495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 一 順天堂大学, 医学部, 教授 (70167229)
石 龍徳 順天堂大学, 医学部, 講師 (20175417)
滝川 順子 順天堂大学, 医学部, 助手 (90053339)
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Keywords | 端側神経縫合 / 神経再生 / 神経移植 / 神経縫合 / 末梢神経端側縫合 / 末梢神経 / 末梢神経外科 / 二重神経支配 |
Research Abstract |
顔面神経麻痺の再建方法として交叉神経移植や舌下神経顔面神経移行術などがあり、これらを併用する場合もある。その場合、それぞれ別ルートからの再生神経が一つの終末器官に向かうため、本来は生じないとされる二重神経支配が生じる可能性があり検討の余地が残っている。 そこで、受容神経(左正中神経)を切断後再縫合して、受容神経からの神経再生が生じてきた時に、移植神経からの神経再生がどのような形で伸展し、終末器官の再支配を生じるのかを検討した。 実験方法は前年度までと同様に、右大腿部より坐骨神経を採取し左右正中神経間に交叉神経移植を行なった。移植神経両端を端側縫合とし、上膜の開窓を行った。左正中神経を端側縫合部近位側にて切断し、その再縫合を行うか否かで二つの群を作成した(第一群:切断群、第二群:切断再縫合群)。 術後180日後に移植神経・正中神経・両側の屈筋群を同定露出し、活動電位及び左右上腕屈筋群の誘発筋電図を測定した。移植神経及び左正中神経の近位部・遠位部を採取後染色し、光顕的にその形態を評価した。また、前腕屈筋群の乾筋重量を測定しその左右差について評価した。さらに、神経トレーサーDiIとDiAにより左正中神経の端側縫合部の神経再生の形態を観察した。 実験結果は第二群において移植神経及び本来の正中神経中枢端それぞれの神経刺激においてM波を認め、神経再生を確認出来、一つの筋肉に対する二重神経支配の可能性が考えられた。 前腕屈筋群の重量の左右差では、第一群の方が大きい左右差を生じる傾向にあり、左正中神経の遠位端の軸索密度も第二群の方が大きかった。つまり、正中神経からの再生神経が機能再生に影響を及ぼしていると考えられたが、個々の筋繊維においては二重神経支配でなく、固有神経支配の形になっている可能性も考えられ、今後経時的な検討も加えて、より詳細に検討していく必要があると思われた。
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