2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌の感染成立における口腔粘膜上皮細胞の応答反応の解析
Project/Area Number |
14571743
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
根本 優子 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (10164667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 重信 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (10177917)
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Keywords | 歯肉上皮細胞 / 歯周病原性細菌 / LPS |
Research Abstract |
本研究では口腔粘膜上皮細胞の感染性微生物,特に歯周病原性細菌,との相互作用およびその病原因子に対する応答性について明らかにすることを目的として,以下の検討を行い成果を得た. 1.細胞膜レセプター発現の検討:歯周病原性細菌であるPorphyromonus gingivalisより本菌の主要な病原因子であるLPSを精製し,マウス歯肉溝上皮株化細胞(GE細胞)に添加し,CD14,Toll-like receptor (TLR)2,およびTLR4 mRNAの発現量をRT-PCRで検討した.その結果,3種のレセプターmRNAの発現が認められた.また,LPS刺激によりこれらレセプターmRNA発現量が経時的に変動する可能性が示めされた.一方,フローサイトメーターによる細胞表面レセプタータンパク質の発現を各々に特異的な抗体を用いて検討したところ,無刺激状態におけるGE細胞では,マクロファージ系細胞であるJ774.1に比較して,いずれのレセプターもその発現量が顕著に低いことが明らかとなった.従って,歯肉溝上皮細胞では歯周病原性細菌由来LPSへの応答性がレセプターの発現量の変化により変動する可能性が示唆された. 2.LPS刺激により誘導される歯肉上皮細胞応答の解析:P.gingivalis精製LPS刺激により,GE細胞の増殖活性が増大した.また,GE細胞はTNFα,IL-1β,IL-6等の前炎症性サイトカインを産生するだけでなく,IL-8およびmacrophage inflammatory protein2等のケモカインmRNAを発現しており,これら因子の発現はLPS刺激により変動する可能性が示された.
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