2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌P.gingivalisの細胞内侵入による炎症性サイトカン誘導作用
Project/Area Number |
14571748
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
竹下 玲 明海大学, 歯学部, 講師 (70236454)
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Keywords | P. gingivalis / IL-6 / 歯周疾患 / 口腔上皮細胞 / サイトカイン / 細胞内侵入能 / 骨芽細胞 / ODF / RANKL |
Research Abstract |
成人性歯周疾患は、Porphyromonas gingivalis (P.gingivalis)の感染により発症する難治性の慢性感染症である。最近の研究は、本菌が上皮細胞内に侵入すること、さらに、骨組織に達する深い組織への侵入が認められる。しかし、本菌細胞内侵入による病態の成立や進行機構を検討した報告は少ない。 また、近年の研究から、骨吸収活性を有した炎症性サイトカイン(IL-1、TNF-α、並びに、IL-6の誘導作用が、成人性歯周疾患の病態の成立・進行に関与すると考えられている。従い、P.gingivalisの細胞内侵入に伴うサイトカイン誘導能について検討することは、意義あることと考えられる。そこで、本菌の細胞内侵入によるそのサイトカイン誘導作用を、口腔上皮細胞KB細胞を用いて検討した。その結果、本菌の細胞内侵入が上皮細胞のIL-6を誘導した。また、この誘導作用は、MAP kinaseの一つであるp38の阻害剤SB202190により著明に抑制された。他のMAP kinase阻害剤PB98059とSP600125はその様な阻害作用を示さなかった。また、NFκ-Bの関与も、ほとんど無いことを確認している。 また、一方、上皮細胞以外の細胞へのP.gingivalis細胞内侵入能を検討したところ、骨芽細胞にも、本菌が、侵入することを見いだした。また、本菌による細胞内侵入は、骨芽細胞の増殖を抑制した。また、ODF/RANKLの発現を誘導することも確認した。
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Research Products
(1 results)