2003 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリンG2:新しい細胞周期調節因子の口腔癌における発現および機能解析
Project/Area Number |
14571750
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
河野 葉子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (40195681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 哲彦 昭和大学, 歯学部, 教授 (10085772)
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Keywords | 細胞周期 / サイクリンG2 / サイクリンG1 |
Research Abstract |
【目的】Laser Capture Microdissection (LCM)法とDNAチップ(6800遺伝子/1チップ)を用い、同一患者のヒト口腔粘膜正常組織と癌綿織のDNA解析を行ない、それらの間で遺伝子の発現に顕著に差異が認められる27遺伝子を同定した。なかでも細胞周期に関与していると考えられるサイクリンG2が正常細胞に比べ、癌細胞で発現が減少していた(Oncogene, vol.20 (43) 2001)。ヒトサイクリンG2の働きは細胞周期においての役割が未だ明確ではない。そこで本研究はヒトサイクリンG2の細胞周期調節因子としての役割を解明することを目的とした。 【方法】ヒト正常口腔粘膜由来細胞(OMK)、ヒト口腔扁平上皮癌由来細胞株(HSC4)、ヒト扁平上皮癌細胞株(Hela)を用いて、細胞周期関連タンパクである,CDK2 (Cyclin Depelldent Kinase 2),CDK4,CDK6とサイクリンG2タンパクとの結合性を免疫沈降法で検索し、遺伝子発現解析や機能解析のためにサイクリンG2を過剰発現させた細胞株の樹立を試みた。 【結果】免疫沈降の結果からサイクリンG2はCDK2,CDK4,CDK6と結合していなかった。以上のことから前回の結果であるp53非依存性と考え合わせるとサイクリンG2は単独で作用しているか、CDK2,4,6以外のタンパクと結合している可能性がある。またサイクリンG2の過剰発現細胞株の樹立が困難である原因の一つとしてコロニー形成率の低下や細胞増殖能の低下があり、サイクリンG2は細胞周期の負の制御因子であると考えられる。さらにサイクリンG2過剰発現細胞株樹立を進め、機能解析を進める予定である。
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