2004 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺組織を老化に導く要因の組織化学的および微細構造学的解析
Project/Area Number |
14571754
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
菊池 憲一郎 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (80267260)
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Keywords | 顎下腺 / 舌下腺 / 老化 / アミロイド / 小葉間結合組織 / 血液生化学的検査 / ラット |
Research Abstract |
平成16年度は最終年度であるため、今までに得られた結果の検討と電顕観察における微細構造学的な精査を中心に行った。材料採取時にスクリーニングとして行った血液生化学的検査結果データ13項目(ALB, ALP, ALT, AMY, TBIL, BUN, CA^<++>, CHOL, CRE, GLU, K^+, TP, GLOB)を基に材料として用いた実験動物の評価を行い、その適否を検討した。 生後12ヶ月から生後27ヶ月の観察期間のうち上昇傾向を呈したのは、BUN、CA^<++>、CHOL、CREの4項目で、特に生後24ヶ月から生後27ヶ月においては4項目の全てが標準値を上回る結果となった。一般的にこれら4項目は加齢に伴って上昇することが報告されているが、そのうちBUN値の上昇はアミロイドーシスに関連していることが示唆されている。このことは、生後18ヶ月を過ぎた頃から出現するアミロイドタンパク所見との関連を裏付けるものと思われる。逆に減少傾向を呈したのは、ALB、ALP、ALT、AMY、GLUの5項目で、特に生後24ヶ月から生後27ヶ月においてはALB、ALPが標準値を下回る結果となった。ALB値の減少は、加齢に伴う栄養状態や肝障害の発症と関連があると思われる。ALPに関しては一般的に幼若ラットの方が成熟ラットよりも活性が高いことが知られているので、加齢に伴う低下と考えられる。TBIL、K^+、TP、GLOB値には大きな変動は認められなかった。以上の結果と材料採取時における解剖所見とから、今回実験に用いた動物は実験モデルとして、可能な限り病的因子を取り除き、実験動物モデルの規格化が量られたものと考えている。電顕観察においては昨年度に引き続き分泌性状の経年的変化に加えて、顎下腺および舌下腺が経年的に萎縮し、湿重量が減少していく要因のひとつに小葉間結合組織の萎縮が影響しているという所見を得ている。特に生後16ヶ月以降、光顕所見でアミロイドタンパクが出現した個体の電顕像においては、その傾向が顕著に認められた。これらの詳細については、現在作成中の冊子体の中で総括したいと考えている。
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Research Products
(1 results)