2003 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経運動核周囲核の咀嚼運動時における機能的役割の解明に関する研究
Project/Area Number |
14571760
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
井上 誠 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00303131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 好秋 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80115089)
山村 健介 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90272822)
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Keywords | 咀嚼 / 嚥下 / 舌筋 / 節電図 / 単一神経活動 |
Research Abstract |
咀嚼や嚥下などの下顎運動はそのリズムが中枢によって制御されているいわゆる半自動性の運動であり,これらのリズムは脳幹で形成されることが分かっている.しかしながら,実際の機能時に口腔内の状況は刻一刻と変化し,その変化に応じた円滑な運動の遂行を行うためには,末梢からのフィードバックによって運動神経系を含めた中枢神経系の神経活動の変調が行われなければならない.末梢からの入力を受け,さらに運動神経系に直接影響を与えるプレモーターニューロンの脳幹内での局在とその神経生理学的特徴を調べる目的で,今年度は顎運動機能時に三叉神経,顔面神経,舌下神経の各神経核に同時に投射し,いわゆる顎顔面舌の協調運動にプレモーターレベルで関わるニューロンがあるかいなかについて検索した.その結果,それぞれの神経核に投射するニューロンが脳幹の三叉神経脊髄路核吻側亜核で見つかったものの,異なる神経核に同時に投射するものは検索できなかった.協調運動において,異なる神経支配を持つ筋はすでにプレモーターよりも上のレベルで個々の活動様式が決定されており,それらの活動が末梢からの入力を受けてプレモーターレベルで変調することを考えると,異なる神経核への同時投射をするプレモーターはないか,あってもその割合は低く,協調活動にとっては決定的に重要なものではないことが示唆された. さらに今年度は,協調運動を筋電図で捉えることを目的として,動物を用いて覚醒,麻酔動物の両方を使用し,咀嚼運動時の顎筋,舌筋の活動を記録し、それらの活動様式および協調様式を定量的に評価した.その結果,顎筋と舌筋の協調活動は様々な顎運動時において常に保たれているもののその様式については,発現する活動に応じて変化し,食物の粉砕,食塊形成,嚥下という一連の摂食行動をたくみに遂行するために働くことが証明された.
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Machida N, Yamada K, Takata Y, Yamada Y: "Relationship between facial asymmetry and masseter reflex activity"J.Oral Maxillofac.Surg. 61(3). 298-303 (2003)
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[Publications] Fukushima S, Shingai T, Kitagawa J, Takahashi Y, Taguchi Y, Noda T, Yamada Y: "Role of the pharyngeal branch of the vagus nerve in laryngeal elevation and UES pressure during swallowing in rabbits"Dysphagia. 18(1). 58-63 (2003)
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[Publications] Amarasena J, Ootaki S, Yamamura K, Yamada Y.: "Effect of stimulation of cortical masticatory area on swallowing evoked by the stimulation of superior laryngeal nerve in anesthetized rabbits"Brain Res.. 965. 222-238 (2003)
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[Publications] Okayasu I, Yamada Y, Kohno S, Yoshida N.: "New animal model for syudying mastication in oral motor disorders"J.Dent.Res.. 82(4). 318-321 (2003)
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[Publications] Ootaki S, Yamamura K, Inoue M, Amarasena J, Kurose M, Yamada Y: "Activity of peri-oral facial muscles and its coordination with jaw muscles during ingestive behavior in awake rabbits"Brain Res. (In press). (2004)
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[Publications] 宮嶋晃子, 林豊彦, 中村康雄, 伊藤綾, 永田向太郎, 中嶋新一, 小林博, 山田好秋: "自律顎運動シミュレータJSN/2Bにおける咀嚼力制御のための咬合力センサの改良"信学技報. MBE2003. 5-10 (2003)
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[Publications] 山田好秋: "咀嚼・嚥下に伴う食塊の動態"日本バイオレオロジー学会誌(B&R). 17(3). 120-129 (2003)
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[Publications] 成田紀之, 山村健介: "咀嚼と嚥下運動の大脳皮質性制御機構に関する最近の知見"日本咀嚼学会雑誌. 12(2). (2003)
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[Publications] 井出吉信, 山田好秋: "摂食・嚥下のメカニズム 解剖・生理編"医歯薬出版, 東京(CD-ROM). (2003)
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[Publications] 山田好秋: "なぜ、おいしく食べられるの.新潟大学大学院医歯学総合研究科ブックレット新潟大学編集委員会編,ブックレット新潟大学22続「食べる」-食べるの科学-"新潟日報事業社. 70 (2003)
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[Publications] 山村健介: "「食べる」運動の制御の仕組み-複雑で精巧な脳の働き-.新潟大学大学院医歯学総合研究科ブックレット新潟大学編集委員会編, ブックレット新潟大学22続「食べる」-食べるの科学-"新潟日報事業社. 70 (2003)
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[Publications] 井上誠: "味わうことの最終段階-飲み込むことの大切さ-.新潟大学大学院医歯学総合研究科ブックレット新潟大学編集委員会編,ブックレット新潟大学22続「食べる」-食べるの科学-"新潟日報事業社. 70 (2003)