2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌P.gingivalis熱ショックタンパク質HtpGの機能解析
Project/Area Number |
14571766
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小早川 健 長崎大学, 歯学部, 教務職員 (10153587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 俊雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80050607)
中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
根本 孝幸 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90164665)
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Keywords | HtpG / HSP90 / 分子シャペロン / P.gingivalis / 歯周病 / ストレス |
Research Abstract |
真核生物の増殖に必須の成分であるHSP90が原核細胞でどのように機能しているかについて,私たちが特に興味をもっている歯周病細菌Porphyromonas gingivalisにおいて検討した.真核生物HSP90のパラローグであるHtpG遺伝子を破壊したP.g.株を作製したところ本株は37℃で生育可能だったので,これまでに報告されている大腸菌やシアノバクテリアと考え合わせると,原核生物ではHtpGは必須の因子ではないことが判明した.各種ストレス条件がこの株の成長にどのような影響があるか現在検討中である. P.g.菌HtpG遺伝子をPCR増幅してその大腸菌発現ベクターに導入した.精製リコンビナント分子の分子量は80kDaであり,ダイマーで存在していた.ところで,私たちは,6種類のHSP90ファミリータンパク質[ヒトHSP90α,ヒトHSP90β,ヒトTrap1(ミトコンドリア型),ヒトGRP94(小胞体型),大腸菌HtpG,P.g.HtpG]を発現した.非変性条件での電気泳動により比較したところ,すべてはダイマーで存在したが,ヒトHSP90βのみはかなりモノマーが共存していた.HSP90αとHSP90βのアミノ酸配列の違いからダイマー形成に関与するC末端側200残基内の16個所のアミノ酸変異にその原因があると推測した.さらにP.g.HtpGなど今回発現したHSP90ファミリータンパク質との比較から,そのうち5残基を絞り込んだ.これらのアミノ酸置換をHSP90βに導入してダイマー形成能を見たところ,Met621をHSP90α型であるAla629にした場合にその活性が回復した.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Matsumoto S, Tanaka E, Nemoto TK, Ono T, Kobayakawa T.他: "Interaction between the N-terminal and middle regions is essential for the in vivo function of HSP90 molecular chaperone"Journal of Biological Chemisiry. 277. 34959-34966 (2002)