2003 Fiscal Year Annual Research Report
顎下腺細胞における細胞死シグナル伝達カスケードへの分子シャペロンの関与
Project/Area Number |
14571772
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 詔子 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00048399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
帖佐 直幸 岩手医大学, 歯学部, 助手 (80326694)
客本 斉子 岩手医大学, 歯学部, 講師 (90118274)
加茂 政晴 岩手医大学, 歯学部, 助教授 (40214564)
高岡 裕 岩手医大学, 歯学部, 助手 (20332281)
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Keywords | アポトーシス / HSP90 / Fas / カスパーゼ / ゲルダナマイシン / 唾液腺細胞 / シグナル伝達因子 / 分子シャペロン |
Research Abstract |
ヒト顎下腺腺癌細胞(HSG)を分子シャペロンである熱ショックタンパク(HSP)90の特異的阻害剤であるゲルダナマイシン(GDM)で処理すると、アポトーシス誘導を引き起こすことから、アポトーシス誘導経路へのHSP90の関与が示唆された。したがって本年度はFasを介したシグナル伝達系においてHSP90と複合体を形成するターゲット因子の存在について検討を加えるとともに同定を試みた。はじめにHSG細胞をGDM単独処理ならびにGDMと抗Fas抗体(CH-11)両者処理のアポトーシス誘導を調べたところGDM単独処理に較べ、GDMとCH-11両者処理で顕著なアポトーシス誘導が認められた。アポトーシス誘導を行った細胞から全RNAと細胞可溶化物を調製し、RT-PCRとウェスタンブロティング解析を行ったところ、HSP90αmRNAならびにHSP90βmRNAの発現が増加するとともにHSP90タンパクの増加が認められた。つぎにHSG細胞にHSP90タンパクを導入後、GDMおよびSH-11の単独処理、またはGDMとCH-11の両者処理を行ったところ、非導入の細胞に較べ、導入細胞でアポトーシス誘導が抑制された。このことはHSP90に抗アポトーシス作用があることを示すものである。これらのことからFasを介したシグナル伝達系にHSP90と複合体を形成するターゲット因子の存在が示唆された。そこでHSP90のターゲット因子の同定を免疫沈降-ウェスタンブロッティングにより検討したところ、カスパーゼ-8ならびにFasカスケードの制御に関与するFADD-like ICE inhibitory protein(FLIP)が検出された。 以上のことから、HSP90はFasシグナル経路上でカスパーゼ8やFLIPと結合し、これらターゲット因子を介してアポトーシスを制御することが示唆された。
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Research Products
(1 results)