2003 Fiscal Year Annual Research Report
横口蓋ヒダにおけるメルケル細胞の機械-電気化学的変換機構
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14571778
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Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
田崎 雅和 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (40155065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20125008)
田崎 裕紀 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30266580)
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Keywords | メルケル細胞 / 口蓋ヒダ / 口腔粘膜 / 機械受容器 / キナクリン / 蛍光細胞 / 電位依存性カルシウムチャネル / 遅順応性 |
Research Abstract |
実験はハムスター硬口蓋粘膜を使用した。大口蓋神経線維束-口蓋粘膜標本を作製し、口蓋ヒダに圧刺激を与え、遅順応性応答を得た。口蓋ヒダには多数のメルケル細胞-神経終末複合体が分布することから、当神経終末複合体からの応答と推測した。そこで、口蓋粘膜標本からメルケル細胞を単離し、電位依存性カルシウムチャネルの種類について検討を行った。また口蓋ヒダに歯科インプラントを包埋し、インプラント体周囲の再生上皮中のメルケル細胞と神経終末の状態および義歯床による口蓋ヒダ圧迫におけるメルケル細胞について検索した。 結果1)口蓋ヒダ上皮からメルケル細胞(キナクリン蛍光細胞)を単離できた。2)このキナクリン蛍光細胞は走査電子顕微鏡観察により多数の細胞突起が観察された。3)メルケル細胞への等張性高濃度カリウム溶液刺激により細胞内カルシウム濃度の上昇が観察された。これらの報告はラット毛根部のメルケル細胞-神経終末複合体からの報告と類似するものであった。4)共焦点レーザー顕微鏡による観察で、歯科インプラント体周囲の再生上皮中にはメルケル細胞は観察されなかった。しかし、神経要素(神経終末部あるいは神経線維)の再生は観察された。成熟ハムスター口蓋ヒダにいてメルケル細胞再生されず、再生上皮の圧感覚は自由神経終末によって担われているものと考えられる。5)トルイジンブルー染色および透過型電子顕微鏡を用いた観察で、口蓋ヒダを義歯床で圧迫(10g)した上皮中にはメルケル細胞が観察できなかった。メルケル細胞のアポトーシス像は観察できなかったが、周囲上皮細胞間はルーズとなり、メルケル細胞の形態は多角形化した。メルケル細胞の消失は当部位の圧感覚の消失あるいは感受性の低下をきたすものであると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ken Ishizaki, Kaoru Sakurai, Yuki Tazaki, Masakazu Tazaki, Masaki Shimono, Yuta Suzuki, Kenichi Matsuzaka, Takashi Inoue: "An experimental study on the behavior of Merkel cells under a denture base."Prosthodontic Research & Practice. 2・1. 59-63 (2003)
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[Publications] Yuta Suzuki, Masakazu Tazaki, Toru Sato, Masaki Shimono, Takashi Inoue: "A study of the characteristics of the peri-implant epithelium in hamster palatine mucosa : Behavior of Merkel cells and nerve endings."Clinical Oral Implants Research. (in press). (2004)
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[Publications] 田崎裕紀, 田崎雅和: "ハムスター頬粘膜触小体の単離メルケル細胞における電位依存性P/Q型タイプカルシウムチャネルの研究"医学と生物学. (印刷中). (2004)