2003 Fiscal Year Annual Research Report
ラット顎下腺発癌における遺伝子発現のDNA Array検索
Project/Area Number |
14571803
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
住友 伸一郎 朝日大学, 歯学部, 講師 (50216496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 泰徳 朝日大学, 歯学部, 講師 (30247556)
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / ラット / DNA Array / 癌遺伝子 / 増殖因子 / ras |
Research Abstract |
ラット顎下腺に2%DMBAオリーブ油溶液を含ませた歯科用ボンディングスポンジを埋入して顎下腺腫瘍モデルを作成した。発癌剤埋入後、12週を経過した組織は角化傾向のある扁平上皮に類似した腫瘍組織を主体とし、導管様構造を伴った腺扁平上皮癌であった。マウスにおいて同様の発癌方法を実施してみたが、発癌率が低く、肉腫の出現も多いために、本研究には不適当と考えられた。 正常ラット顎下腺と発癌組織とのmRNA発現量をmembrane DNA Array (Atlas^<TM>Rat1.2クロンテック社)を用いて比較検討した。 発癌により、発現量が有意に増加した遺伝子は173種、減少したものは164種であった。特に発現量の増加が著しい遺伝子として、異常なkeratinocyteの発現に関与するepidermal fatty acid-binding proteinや、炎症性変化に関係するmicroglobulin、annexin Iが認められた。以前より、本実験系で変異が示唆されていたc-H-rasのm-RNA発現量は発癌により有意に増加しており、さらに、種々のras類似遺伝子の増加も認められた。しかし、通常の増殖系においてras発現増加をもたらす、増殖因子の発現増加は認められなかった。 rasの下流に存在し細胞増殖に働く、Raf-MEK-MRK系においては、A-raf、MEK5、MAPKK1、MAPKK2のmRNAの増加が認められ、別系列のrac-α、JNK3のm-RNAも増加していた。核内転写因子としてc-myc、c-junのmRNAの増加が認められ、cyclin B1、D1およびPCNAのmRNAの増加も認められた。 以上の結果を第48回日本口腔外科学会総会(富山)において報告した。
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