2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571818
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
塚田 岳司 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70236850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 光男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30116066)
松下 健二 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90253898)
田中 利明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80332899)
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Keywords | 形状記憶 / トランスポリイソプレン / 根管充填材 / 封鎖性試験 |
Research Abstract |
1.形状記憶機能を有した根管充填用ポイントの作製 形状記憶機能を有した根管充填用ポイントの作製は以下の手順で行った。トランスポリイソプレン(TPI)に対して、硫黄、ジクミルペルオキサイド、酸化亜鉛、ステアリン酸が、それぞれ30、1、1.25、7.5phrの配合で混練りを行い作製した未加硫ゴムを加熱軟化し、これをポイント作製用金型に填入した後20kg/cm^3の圧力をかけ、150℃で120分間の加熱による加硫処理によって形状を記憶させた根管充填用ポイントを作製した。このポイントを90℃で加熱軟化し、ポイント作製用金型よりも内腔が一回り細い形状をした変形用金型へ圧入した後0℃で冷却しTPIを結晶化させることによって変形を固定した。この変形を固定した元々の形状よりも一回り細い形状のポイントは、口腔内温度(37℃)の刺激によって元の太い形状へと復元することが可能である。 2.封鎖性試験 ポイント作製用金型の内腔の形状と変形用金型の内腔の形状との中間的な形状になるように、抜去牛歯の根管の拡大形成を行い、EDTAとNaOClで洗浄を行った。次に元々の形状よりも一回り細い形状に変形固定を行った根管充填用ポイントを拡大形成された牛歯の根管に挿入し、37℃空気中で10分間垂直加圧を行い、根管充填用ポイントの変形を回復させて根管の封鎖を行った。根管充填用ポイントの変形の回復による根管の封鎖性を検討するために、1%フクシン溶液に1〜11日間浸漬を行った。また、比較対象の実験として、側方加圧法や垂直加圧法による根管充填を行い、それらの封鎖性についても調べた。いずれの充填法についてもシーラーは併用しなかった。その結果、形状記憶機能を有した根管充填用ポイントを用いた根管充填法は、側方加圧法や垂直加圧法と比較して良好な封鎖を示し、根管充填剤への応用に非常に有効であることが示唆された。
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