歯牙漂白がエナメル質とコンポジットレジン修復材料に及ぼす影響

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14571819
• Research Institution: Iwate Medical University
• Principal Investigator: 寺田 林太郎 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (70244944)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 熊谷 浩 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (80244945)
• Keywords: 漂白剤 / エナメル質 / X線回折 / 結晶性 / 走査型電子顕微鏡 / 形態学

Research Abstract

漂白剤がエナメル質に及ぼす影響を、形態学的および構造結晶学的に検討するべく以下の実験を行った。
齲蝕や白斑のない健全ヒト抜去大臼歯を被験歯とし,歯冠部を清掃後,硬組織微少精密切断器を用いてエナメル質を切り出した。エナメル質ブロック被験面を耐水研磨紙400、600,800,1000番で順に研磨し,アルミナ2000を用いて仕上げ、脱イオン水に浸漬し,超音波洗浄を加えて試片とした。
漂白剤は,過酸化水素を用いるHi-Lite, Quasar Brite,およびPowergelを用い,業者指示に従って使用した。なお、漂白期問は連続3日間とした。
1)微少部X線回折による漂白前後のエナメル質結晶構造の比較解析
試料を高出力X線回折装置(JDX-3500)内の微少部X線回折装置(DX-MAP2)の試料台に取り付け,漂白前後のエナメル質の結晶化度を比較件検討したところ、いずれの漂白剤も僅かではあるが結晶性に影響することが明らかとなった。
2)走査型電子顕微鏡による漂白前後のエナメル質の表面性状の比較検討 試料を走査型電子顕微鏡(S-800)に取り付け,エナメル質の表面性状を通法の観察方法に従い比較検討したところ、形態学的にはほとんど違いが認められなかった。
次年度は、漂白剤がコンポジットレジン修復材料に及ぼす影響を、形態学的および化学的溶出物の変化の分析により検討する。

Research Products

• [Publications] 寺田林太郎, 小野寺奈美, 渡邊紀子, 久保田稔: "失活歯のホワイトニング症例から学ぶ問題点"日本歯科保存学雑誌. 45(秋特別). 189-189 (2002)
• [Publications] 寺田林太郎, 久保田稔: "生活歯の漂白-生活歯の漂白剤松風ハイライト^<TM>の漂白特性-"岩手医科大学歯学雑誌. 27・2. 116-122 (2002)