2003 Fiscal Year Annual Research Report
分化転換・再プログラム化の応用による歯髄培養細胞の硬組織形成機構の解明
Project/Area Number |
14571827
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松島 潔 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (00157306)
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Keywords | 脱メチル化 / 分化転換 / 再プログラム / 5-アザシチジン / BMP / IGF |
Research Abstract |
歯髄細胞中には多くの未分化間葉細胞が存在し,種々の刺激によってこれらの細胞が硬組織形成を有する細胞に分化すると言われている。このことから歯髄組織は本来硬組織を形成する細胞に誘導される機能を有していることが認められる。本研究では,この分化転換と再プログラム化を応用し,硬組織形成能を有する細胞に分化するメカニズムとそれを誘導する因子の検索を行い,臨床に応用することを目的としている。日本大学松戸歯学部付属歯科病院に来院し,矯正学的理由で要抜去とされた下顎第三大臼歯を持ち,本研究に充分な理解を理解を示した患者の第三大臼歯から歯髄を取り出し,out growthさせ,6〜9代培養したものを歯髄細胞とした。 5-アザシチジンで脱メチル化を行った細胞と行っていない細胞に50μMアスコルピン酸,10mMβ-glycerophosphate,100nMデキサメタゾンを加えると脱メチル化をした細胞の方がALP活性が強くなる傾向を示し、1mM 5-アザシチジンで1日間脱メチル化をした細胞に石灰化環境を与えた条件が石灰化環境を与えない条件との差が最も多く示した。また、脱メチル化した細胞の再プログラム化の指標として、石灰化機構に関わる因子であるBMPおよぴIGFsのmRNA発現について、検討を行った。1mM 5-アザシチジンで1日間脱メチル化をした細胞に50μMアスコルピン酸,10mMβ-glycerophosphate,100nMデキサメタゾンを添加することによって、2時間後から48時間後にかけて、BMP-2,4,6のmRNA、48時間から72時間にかけてIGF-1およびIGF binding protein-5のmRNAの発現が上昇した。以上の結果から、5-アザシチジンによる脱メチル化によって、分化転換が起こり、その細胞に環境を整えることにより、再プログラム化が可能であることが示唆され、臨床応用への期待できる。
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