2003 Fiscal Year Annual Research Report
狭窄根管に対する非拡大・非根充の新しい根管治療法-生体接着材料の応用-
Project/Area Number |
14571828
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
北島 佳代子 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (00177841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 友則 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (30318547)
横須賀 孝史 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (10277600)
五十嵐 勝 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (90168104)
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Keywords | 根管 / 石灰化 / 狭窄 / 閉鎖 / 根管治療 / 生体接着材料 / シアノアクリレート |
Research Abstract |
本研究は、歯の寿命の延長に伴い増加傾向にある狭窄根管に対して、従来の根管治療法とは異なり、浸透性の高い固定剤(生体接着材料シアノアクリレート:DC)で処置する新しい根管治療法の可能性を探究するものである。 推定年齢20歳以上のアカゲザル2頭を用い、歯科用X線写真で根管の走行が確認できないか、狭小化の明らかな根管を有する全歯種を用いた。全身麻酔下で本来の髄角が点状に見える位置まで切削し、半導体レーザー組織血流計で、組織血流量、血液量、血流速度を測定した。実験群は、6%NaClOと3%H_2O_2で交互洗浄、乾燥後、以下の4群に設定した。(1)DCを0.2μml滴下する群。(2)EDTA処理、水洗、乾燥後、DCを0.2μml滴下する群。(3)Nd-YAGレーザー10pps、1sec照射、DCを0.2μml滴下する群。(4)EDTA処理、水洗、乾燥後、Nd-YAGレーザー10pps、1sec照射、DCを0.2μml滴下する群。術1週間と3か月後にsacrificeし、非脱灰で樹脂包埋した。X線写真撮影後、根管の縦断面を含む厚さ約80μmの研摩切片を作製し、光顕観察した。さらに約20μmまで研摩し、H-E染色を施して光顕観察した。 その結果、歯科用X線像で狭小化の著しい根管でも組織学的には完全に閉鎖することはなく、歯科用X線像での根管狭小化程度と歯髄の血流動態は必ずしも相関しないことが判った。DCは浸透性に優れ、狭小根管に対しても根管深部まで浸透することが明らかとなったが、根尖歯周組織に異常所見を認めず、概ね良好な結果が得られた。しかし、X線像で狭小化と判断したが、組織像では狭小化が著明ではなかった2例において本剤の根尖孔外溢出を認め、根尖病巣と歯根の一部吸収が認められた。レーザー併用群では良好な結果が得られた。今後、本剤の安全性、物性、使用適正量、適応歯の確定方法等についてさらに追究する必要がある。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 北島佳代子, 横須賀孝史, 佐藤友則, 五十嵐 勝, 川崎孝一: "狭窄根管に対する非拡大・非根充の新しい根管治療法-生体接着材料の応用-"日本歯科保存学雑誌. (発表予定).