2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571829
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
大森 かをる 鶴見大学, 歯学部, 助手 (80213867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋本 尚武 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40184113)
桃井 保子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10103558)
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Keywords | 抗菌性 / 象牙質齲蝕 / 細菌数 |
Research Abstract |
本研究は,根面齲蝕象牙質より一定量の歯質を採取し,その菌を抜去歯に摂取した培養モデルを作製すること最初の目的としている.今回,予備実験として,4種類の試作ダイヤモンドポイントを用いてヒト抜去歯の齲窩から歯片を切削し,その重量を計測して等量の試料が得られるかどうかを検討した.その結果ほぼ同量の試料の採取が可能であったが,予想より大きなブロックとなり,in vivoでの使用が困難であると判断し,再検討することとなった.さらに,予備実験として,マイクロチューブの蓋部に各種象牙質接着システムおよび試作抗菌性象牙質接着システムを用いて作製したコンポジットレジンディスクを固定し,チューブ内にStreptococcus mutansの懸濁液(10^8/ml)を注入して逆さまの状態で培養した.各培養期間の細菌数を十倍段階希釈法にて希釈,培養しコロニー数で比較した.また,露髄を伴うような深い齲蝕の場合を想定し,チューブ内にマウス脾臓由来リンパ細胞(MSL)に対する影響も合わせて評価した.人工的露髄面をチューブ蓋中央部に作製し,市販および抗菌性プライマーおよびボンディング材を注入した.反応したMSLを採取し,トリパンブルー染色後,生存細菌数を測定した.すべての結果は,一元配置分散分析(p<0.05)にて統計分析した.その結果,抗菌性接着システムは今回用いた菌量では,発育阻止効果が十分に発揮されなかった.また,MSLへの影響は,材料を硬化させなかった場合には顕著に認められたが,硬化させた場合に低くなった.本実験の結果は,2003年6月に開催される81st International Association for Dental Research in Swedenにて発表予定である.今後,チューブ蓋部に抜去歯を固定し,歯髄圧に相当する圧力をかけた状態での培養が可能かどうかを評価する予定である.
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