2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571832
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 かおり 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80291764)
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Keywords | 噴射切削装置 / 切削深さ / 切削径 / 歯質 / 修復材料 |
Research Abstract |
研究目的:これまで行ってきた噴射切削実験では、床置き型のKCP1000:Whisper-jetという装置を用いてきた。しかし、現在では、さまざまなタイプの装置が市販されている。本年度は、卓上型とハンドヘルドタイプの噴射切削装置の切削能力をKCP1000と比較した。 材料と方法:噴射切削装置として(1)床置き型のKCP1000(ADT社)、(2)卓上型のPrep Start/Power Plus(D-anvile)、(3)ハンドヘルドタイプのBiostar Airbrator(Edge Dental)を使用した。各々の噴射切削圧は各装置の最大のものとしたので、(1)では160psi、(2)では120psi(Power Plusを使用した場合)、(3)では70psiであった。噴射粒子はいずれも酸化アルミナ50μm、被噴試料に対するノズルの角度90°、噴射時間は3秒とした。また、被噴射試料とノズル先端の距離は1mmと3mmとした。被噴射試料は、ヒト抜去上顎中切歯唇面エナメル質、同象牙質、コンポジットレジン(Z250,A2:3M)、グラスアイオノマーセメント(Fuji XI:ジーシー)とした。コンポジットレジンとGICはいずれもメーカー指示に従って使用した。切削後、切削窩の中央を通り、試料表面に対し垂直な方向に切断した。この面での切削された深さとその径をデジタルマイクロスコープVHX(KEYENCE)の150倍で測定した。 結果:殆どの試料で、KCP1000を使用した場合の切削深さ・切削径が最も大きかった。1mmの距離から噴射した場合のエナメル質と象牙質に対する切削深さは、Prep Start/Power PlusがKCP1000を有意に上回っていた。これらの2つの装置に比べるとハンドヘルドタイプのBiostar Airbratorの切削能力はかなり低く、特に距離3mmからの噴射では、エナメル質や象牙質は殆ど切削されず、表面を荒らす程度であった。最も切削されやすかったGICに対しても、この装置はKCPl000の1/3、Prep Start/PowerPlusの1/2程度の切削しかできなかった。 結論:今回の実験では、卓上型のPrep Start/Power Plusは、床置き型のKCP1000と殆ど変わらない切削能力を有していた。小型であっても十分な切削が可能であると考えられる。ハンドヘルドタイプのBiostar Airbratorは、ハンドピースに取り付ける簡便なタイプのものではあるが、切削能力はかなり劣っていた。この装置の切削圧が最も低いことが、その原因の一つと考えられる。
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