2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄細胞および骨髄細胞の象牙芽細胞への分化と像牙質再生
Project/Area Number |
14571833
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
好川 正孝 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70148451)
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Keywords | 歯髄細胞 / 象牙芽細胞 / 孔質アパタイト / 硬組織形成 |
Research Abstract |
ラット骨髄細胞がin vitroで硬組織形成細胞に分化することに倣い、in vivoおよびin vitroでのラット歯髄細胞から硬組織形成能を有する細胞への分化、さらに、象牙芽細胞への分化を試みた。 リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム-二水和物との当モル混合物を低濃度のクエン酸緩衝液で練和するリン酸カルシウムセメントを歯根部歯髄に応用したin vivoの実験では、応用された歯髄に硬組織が形成された。このことは歯髄細胞が硬組織形成性細胞に分化した可能性を示すものである。さらに、微量のコンドロイチン硫酸ナトリウムを添加したリン酸四カルシウムセメントでは根尖歯周組織歯槽骨に積極的な骨添加を示す骨芽細胞様細胞の出現を認めており、コンドロイチン硫酸ナトリウムが骨芽細胞を誘導する作用を有する可能性、あるいは、未分化間葉細胞の硬組織形成性細胞への分化に作用する可能性が示唆された。 これらのin vivoの実験結果をin vitroで確認した。すなわち、骨髄細胞はデキサメタゾンによって硬組織形成性細胞に分化することは周知である。しかし、ラット下顎切歯から採取した歯髄細胞を培養した結果、約30%の頻度で歯髄細胞はデキサメタゾンが存在することなく硬組織を形成した。 一方、デキサメタゾンを添加しても硬組織形成に量的相違を認めなかった。これは、象牙芽細胞が採取された場合に、その象牙芽細胞が硬組織を形成する可能性が大であると考えられる。歯髄に存在する未分化な細胞が硬組織形成性細胞とくに象牙芽細胞に分化するためにはデキサメタゾン以外の因子の存在が必要と考えられ、その因子の検索が今後の課題である。 また、in vitroでの骨髄細胞を用いての担体としての多孔質アパタイト内への硬組織形成を検索した結果から、アパタイト内孔表面の性状による影響が大きい印象が得られている。
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Research Products
(1 results)