2003 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者の口腔機能と全身状態の改善のための口腔リハビリテーション法の確立
Project/Area Number |
14571837
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
下山 和弘 東京医科歯科大学, 歯学部附属口腔保健教育研究センター, 助教授 (30171010)
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Keywords | 口腔ケア / 特別養護老人ホーム / 要介護高齢者 / 歯垢付着度 / カンジダ菌 |
Research Abstract |
1.特別養護老人ホームでの口腔ケアの効果判定 口腔ケアの重要性を認識し口腔ケアの実施に熱心な都内の特別養護老人施設1施設において、歯科衛生士が施設入所者に対して口腔ケアを行い、口腔の歯垢付着度、カンジダ菌、口腔ケアに対する施設入所者の反応に関する調査などを行った。その結果は以下のとおりであった。1)専門的口腔ケア介入時点では口腔衛生状態は必ずしも良好ではなかった。2)専門的口腔ケアにより施設入所者の口腔衛生状況が改善した。3)専門的口腔ケア介入終了後、口腔衛生状態が悪化する高齢者がいた。4)介護職員による口腔清掃は拒否しても歯科衛生士による口腔ケアを受容する高齢者がみられた。歯科衛生士に対して「気持ちがよい」 「ありがとう」などの言葉を述べるようになった高齢者がいた。5)専門的口腔ケアの介入中または介入終了後に高齢者の歯の喪失や補綴装置の脱離が認められたが、介護職員はその事態を気づいていなかった。以上の結果から、歯科衛生士に去る口腔ケアは有効であることがわかった。また歯科衛生士の介入が中断することに歯石沈着がみられる例があったことから、歯科衛生士の定期的な介入が必要と考えられる。 2.介護スタッフに対する口腔保健教育の効果 特別養護老人ホームの介護職員を対象に、歯科衛生士が要介護高齢者の口腔ケアについて教育・指導を行った。介護職員にアンケート調査を行い、その効果について評価した。その結果は以下のとおりであった。1)介護職員は自らめ口腔の健康に気を使うようになった。2)介護職員は施設入所者の口腔清掃を積極的に行うようになった。3)歯科衛生士による口腔ケアは介護職員よる口腔清掃よ効果があると考える介護職員がいた。以上の結果より、歯科衛生士による口腔清掃のサポートが必要とされていることがわかった。
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