2002 Fiscal Year Annual Research Report
軟質裏装材を使用した義歯装着者の咀嚼機能の向上に関する研究
Project/Area Number |
14571838
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
守澤 正幸 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40191019)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 巖 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60014172)
|
Keywords | 軟質裏装材 / 粘弾性 / 繰り返し加重 |
Research Abstract |
軟質裏装材の劣化は長期にわたる水中や着色液への浸漬やサーマルサイクルなどを行って評価されている。しかし口腔内ではさらに咀囑中に咬合力が作用し・軟質裏装材の劣化を促進している可能性が考えられるがこのような荷重の影響を考慮した研究は少ない。そこで、Coe-soA(GCS)、Super-soft(GCS)、Molloplast-B(DMB)、Sofreliner(TSR)、Clearfit(KCF)の5つの軟質裏装材について咬合力を模した繰り返し荷重の粘弾性への影響に関する調査を行った。作製した各材料40個の試料から。20個を無作為に抽出し、電磁力式試験機(MMT-101 NB-10)を使用し37℃水中にて片振りサイン波、最大圧力196kPa、最小圧力19.6kPa、周期2Hzとした繰り返し荷重をかけた。残りの20個はそれぞれ同じ水槽中に荷重をかけずに同じ時間だけ浸漬した。各条件においてクリープメーター(Rheoner RE3305)を用いて粘弾性的性質を測定した。クリープテストはVoightの4要素モデル用い、瞬間弾性変形、遅延弾性変形、純粘性流動の3つに分け記録した。得られた結果を繰り返し荷重の有無と浸漬期間を因子として2元配置分散分析、Tukey'sHSD。テストを行った。今回用いた軟質裏装材はその粘弾性的性質により粘性のほとんどなく弾性的なDMB、わずかに粘性要素を持つTSRとKCF、大きな粘性要素を持つGCSとGCSの3つに分けられた。瞬間弾性変形はGSSでは有意に増加し、GCS、TSR、KCFでほ減少したが、繰り返し荷重による影響はGCS以外では有意ではなかった。GCS、GSS、TSRでは浸潰期間による影響も見られた。遅延弾性変形は浸漬期間の増加によりGCSとTSRでは有意に減少していたが、GSSでは増加した。TSRにおいては、交互作用もみられ繰り返し回数が増加するに従い大きな減少がみられた。純粘性流動では、GCS、TSRでは繰り返し荷重および浸漬期間、それらの交互作用により有意に影響を受けていた。GCSでは繰り返し荷重をかけた初期から大きく減少し、かけていないものにおいては徐々に減少した。
|