2004 Fiscal Year Annual Research Report
X線TVを用いた短縮歯列弓患者の咀嚼・嚥下運動と舌運動に関する研究
Project/Area Number |
14571841
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Research Institution | MATSUMOTO DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 一誠 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (00185836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 正司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50014098)
山田 好秋 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80115089)
林 豊彦 新潟大学, 工学部, 教授 (40126446)
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Keywords | X線TV / 短縮歯列弓 / SDA / 咀嚼機能 / 食塊形成 / 食塊移送 / 咀嚼回数 / 食物動態 |
Research Abstract |
平成16年度は本研究の最終年度にあたるためにX線TV(videofluorography)による短縮歯列弓患者の咀嚼・嚥下時の動画像データをまとめると共に短縮歯列弓患者の有床義歯による補綴治療が口腔機能の改善に貢献しているかを明らかにすることが求められた。 さて、北欧を中心として短縮歯列弓患者の有床義歯治療は口腔機能の改善に貢献していないことから短縮歯列弓(SDA)を治療の最終到達目標の一つと考えるという考え方があるが、補綴治療ではSDAであっても義歯必要とする症例を経験することがある。そこで、これらの研究内容を検討すると、有床義歯補綴治療の咀嚼機能を評価するパラメータとして主に食物の粉砕機能を評価したものが多く、粉砕後の食塊形成、移送機能などの食物動態に関するものは少なく、SDA患者に装着した有床義歯の機能を必要とする症例ではSDAを肯定する根拠は弱いと考えられた。本研究の動画像データの解析結果によると片側遊離端義歯の非装着、装着の比較では、非装着の場合に粉砕した食物片が歯列欠損部から頬側口腔前庭に溢れ出るという食塊形成障害を観察できた。また、咀嚼時に粉砕、食塊形成、移送の全ての過程を必要とするピーナッツの様な食品の場合は、義歯の非装着時と装着時を比較したとき非装着時の方が嚥下までの咀嚼回数が有意に増加することが明らかになった。すなわち、短縮歯列弓症例では嚥下できるまでの咀嚼回数を増加させなければならないという非効率的な歯列状態であることを示していた。咀嚼機能は食物の粉砕機能だけでなく、食塊形成、食塊移送の間の食物動態から総合的に評価する必要性が明らかになった。
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Research Products
(7 results)