2004 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸カルシウム-ポリリンゴ酸硬化体の歯科応用とその反応機構の解析
Project/Area Number |
14571860
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
日比野 靖 明海大学, 歯学部, 講師 (20238322)
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Keywords | リン酸カルシウム / ポリリンゴ酸 / 硬化反応 / 細胞毒性 / FT-IR |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,本年度の研究目標として,α-TCPとポリリンゴ酸の反応機構の解析と生体親和性の検討を行うこととした.リン酸カルシウム粉末としてはリン酸水素カルシウム・2水和物と炭酸カルシウムを混合焼成して得られるリン酸3カルシウム(α-TCP)を使用した.練和液にはα-リンゴ酸を用いて合成したポリリンゴ酸を用いた.なお,ポリリンゴ酸水溶液の濃度は10,20,30,40wt%とした.なお,コントロールには同様の水溶液濃度のリンゴ酸水溶液を用いた.α-Tcrと各濃度のポリリンゴ酸水溶液ならびにリンゴ酸水溶液を練和することにより得られた硬化体を粉砕し,FT-IRを用いて硬化体の分析を行った.その結果より,α-TCPとポリリンゴ酸の反応機構はリンゴ酸と同様に液成分中に含まれているカルボキシル基が関与しているのではないかということが推定された.すなわち,カルボキシル基より水素イオンが遊離し,その部分にα-TCP粉末のカルシウムイオンが結合し,カルボキシレートセメントやグラスアイオノマーセメントで報告されているようにキレート結合が生じ,硬化しているのではないかということである. また,生体親和性に関しては,セメント硬化体の細胞毒性について主に検討を行うこととした.細胞毒性についてはα-TCPと各濃度のポリリンゴ酸水溶液ならびにリンゴ酸水溶液を練和することにより得られた硬化体を用いて検討したところ,ポリリンゴ酸ならびにコントロールに用いたリンゴ酸ともに細胞毒性は少ない結果が得られた.実験動物(イヌ)を用いた検討を行うことに至らなかったが,今後も生体親和性についての検討を続けていく予定にしている.
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