2002 Fiscal Year Annual Research Report
咬合障害の形態的因子がラットの前頭皮質ドーパミン及びグルタメート分泌に及ぼす影響
Project/Area Number |
14571876
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
井上 宏 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30067053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉本 晃一 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (90319583)
佐久間 泰司 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20205800)
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Keywords | 実験的咬合障害 / ドーパミン / マイクロダイアリシス法 / 摂食 / ストレス / ラット |
Research Abstract |
実験的に咬合障害を付与されたラットは咬合異常のモデルとして多用されている.本研究では咬合障害の高さが心理ストレスとして生体に及ぼす影響を明らかにするために,心理ストレスにより代謝か冗進することが明らかにされている前頭皮質ドーパミン放出を高さの異なる咬合障害を与えたラットを用いて計測した. 前頭皮質中のDA放出の測定は,脳内微小透析法を用いて行った.咬合障害は長さ2mm・幅1mmの厚さの異なる3種類(0.5mm,1.0mm,2.0mm)のアルミ板とした.実験群は咬合障害を付与しない対照群と,咬合障害の高さの違いによる3群の合計4群とした. 実験1は咬合障害付与より6時間のDA放出量を測定した.実験2は咬合障害を付与されたラットのドーパミン放出量を180分間測定した後に20分間摂食させ,その後のドーパミン放出量を180分間測定した. 実験1の結果,咬合障害の高さ及び交互作用に有意差は認められなかった.咬合障害の高さは合着後360分間においてDA放出に影響を与えなかった:本実験結果より咬合障害を付与しただけではラジトのドーパミン放出量の変化は生じないことが明らかにされた. 実験2の結果,0.5mm群は対照群に比べて摂食後ドーパミン放出量の有意な増加を認め,実験群と経過時間に交互作用を認めた.本実験結果より,0.5mmの高さの咬合障害がラットのドーパミン放出量に最も強い影響を与えることが明らかにされた. 本実験結果は高い咬合障害(1.0mm、2.0mm)を与えるよりも低い咬合障害(0.5mm)を与えた方が心理的ストレッサーとして生体に強い影響を及ぼすことを示す.
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